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栄光の FX-702P (江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 最近、仕事の都合上でプログラムをいじる機会が増えてきました。特にデータ整理の関係でExcelに組み込まれているVBAというBASIC言語の一種を使う事に。

BASICのループは for だっけ Do だっけ、

とか、

IF文はどう書くんだっけ、THEN GOTO、いや GO TO は良くない!

などなどとやっています。

 そんなこんなで思い出したのが、私がはじめて使ったプログラミング言語はBASICだったなあ、ということ。大学の3年生の時だったと思いますが「プロセス工学」という授業で化学プラントに関連した物質収支の問題を解くのに使ったのが最初でした。当時はまだパソコンも高価だった時代です。(いわゆる今のPCとは違ってメーカー各社が独自の規格で作成していました。)私は比較的手軽にプログラムが使える関数電卓の一種、プログラム電卓と言われていた CASIO の FX-702P を購入したのですが、その中に組み込まれていたのが簡易版のBASICでした。

 当時は名機との誉れ高かった FX-702P ですが、今のPCとは比較にならないほと非力でした。ユーザーメモリーが 1,680 Mbyte、じゃなくて kbyte でもなくて、 1,680 byte でした。プログラムに使える変数の数が限られていたのはもちろん、プログラムそのものも1000文字程度しか書けない、という代物です。実際、宿題で「10段の蒸留塔の物質収支を計算せよ」と出題されたのに配列変数の要素数が10個に限られていたので、9段の計算しかできませんでした。(各段の上下を取り扱うと一つ足りなくなるのです。)

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 さて、なにか FX-702P の悪口の様になってしまいましたが、今考えるとこの制限された状況でプログラムの勉強をスタートしたのはじつは良い経験だったのではないかと、とも思います。プログラムは一行毎にしか表示出来ませんし、印刷するプリンターを持っていなかったのですが、せいぜい1000行、じゃない、1000文字のプログラムだと完全に頭の中に入ってしまいます。プログラムを走らせて結果がおかしい、となると頭の中のプログラムを自分の頭の中で走らせてみる、という人力デバッグが可能になるのです。必要に迫られながら、プログラムの動きを完全に把握する練習をしていた訳ですから、その後にもっと大きなプログラムを扱う際の基礎が知らず知らずのうちに身についていたのでしょう。

 今のプログラミング環境はいろいろと盛りだくさんなのですが、教育目的ならシンプルな環境もありではないか、などと思いますが、如何でしょうか。

PS:

 このブログを書こうと思ってネットを検索していてビックリ!

wikipedia に FX-702P のページがあるんだ

 そのページを見に行って二度ビックリ!

英語版 wikipedia だけで日本語版にはないんだ

江頭 靖幸

 

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