「COP」と言えば、何でしょう?(江頭教授)
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何も考えないで COP と検索すると”Conference of Parties”の略となっていますが、すぐ下には「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)・京都議定書締約国会合(CMP)・パリ協定締約国会合(CMA)」の解説へのリンクがあります。日本で「COPなんとか(数字)」と言えばやはり温暖化対策について話し合われる「国連気候変動枠組条約締約国会議」つまり「UNFCCCのCOP」ということになるのでしょう。有名なのはCOP3。京都議定書という名前にある様に京都で開催された3回目のUNFCCCのCOPですね。
実はCOPは温暖化以外の条約についても行われています。実際、2010年にCOP10を名古屋でやる、というニュースを聞いて「あれ今頃10なの?」と不審に思ったら「生物多様性条約締約国会議」のCOP10だった、ということがありました。ちなみに2010年のUNFCCCのCOPは「メキシコ・カンクン会議」と呼ばれるCOP16です。
別のCOPもあります。エネルギー技術に関してCOPと言えば冷房機器などヒートポンプの「Coefficient of performance」つまり「成績係数」のことでしょう。ヒートポンプを動かすためには電力など仕事が必要ですが、それによって運ばれる熱はどのくらいなのか。仕事も熱もエネルギーの形態なので両者は同じ単位ですから「運ばれる熱」÷「使われた仕事」の比率は無次元の数値となります。これが成績係数=COPです。
ヒートポンプといえば冷房を思い起こすかもしれませんが、暖房にも使う事ができます。例えば電気ストーブなら「部屋を暖めた熱」÷「使われた電力」は「効率」と呼ぶべきですよね。でもエアコンでは電力を使って室外から熱をくみ上げるので、電力のエネルギー以上に部屋を暖めることができます。エアコンでも同じように「効率」という言葉を使ってしまうと「効率が1を越える」ということが起こって据わりが悪いのでしょう。成績係数、つまりCOPという用語が使われるのはそのせいかもしれません。実際COPは1を越えるのが普通です。
図に示したのは冷房能力 4.0kW 超~7.1kW 以下・壁掛形のエアコンのCOPの平均値の推移です(省エネルギーセンターで公開されている総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会エアコンディショナー判断基準小委員会の資料からの引用です)。COPが向上している、つまり少ない電力で冷暖房ができるようにエアコンがどんどん進歩している様子が分かります。市販されている一般的なエアコンでも2000年には COP3 を達成しているのですね。
そういえばCOPには警官という意味もありました。
2はまだしも3はダメでしょう。ウェラーも交代しちゃったし、空を飛ぶとかもうね。そもそもの話、やっぱりバーホーベンじゃないと。
いや、それ「ロボコップ3」だから。
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