やっぱり log の底は10だよね、という話(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
ずいぶんと昔ですがこのブログに「logの底はいくつですか?」という記事を書きました。
高校では log(x) は自然対数の事だ、と習ったかも知れませんが、世の中では自然対数は ln(x) と書きますよ。
というのが一つめの要点。もう一つは
log(x)は普通は10底の対数のことですよ。
という事でした。
自然対数を log(x) だと思って電卓で計算して間違った学生が多数。「これだから最近の若い者は」と思っていたら、実は高校の教科書で「 log(x) は自然対数のこと」と教えていた、という私にとっては衝撃の事実があって書いた記事です。最近ふと思いついたのですが、この log(x) を自然対数とする、という「文化大革命」ならぬ「数学小革命」は一体どのくらい世界で受け入れられているのでしょうか。
そう思って調べたのは「amazon.com」のサイトです。co.jpじゃなくてcomですから、本家アメリカの巨大通販サイトですね。
電卓、それも少し高級な関数電卓では log はどのような意味で使われているのでしょうか。日本でいう「関数電卓」に相当するものは英語では「scientific calculator」と呼ばれるようです。いろいろな製品が並んでいました。「CASIO」の製品も目立ったのですが、ここはアメリカンに「Texas Instruments」製品を見てみましょう。
小さくて見えにくいのでアップにしたのが以下の図です。
対数として「LOG」と「LN」のボタンがあって 2nd キーを押せば「LN」は「ex」に、「LOG」は「10x」になるといいますから、少なくとも TI の scientific calculator を使う層の人たちにとっては、やっぱり log の底は10ということで良さそうです。
PS:
以前の記事では
表計算のソフト MS Excel のVBA (Visual Basic for Application)でプログラムを書いているときのこと。「あれっ! 関数 LN() がコンパイルエラーになる。」この関数、Excelのシートでは使えるのですが…。
と、書き始めていたのですが、今回VBAから利用するには「LN(x)」ではなくて「WorksheetFunction.Ln(x)」としなければならないことが分かりました。でもEXP(x)は別に「WorksheetFunction.」抜きでも使えるんですよね。一体この差は何なんだろう?
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