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究極の温暖化対策「地球の軌道変更を要請します」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 以前の記事で(その1その2)地球の温度が太陽からやってくるエネルギーと宇宙に出て行くエネルギーのバランスで決まっていることを紹介しました。温暖化は人間活動が原因となって宇宙にエネルギ-が出て行きにくくなって起こる問題で、いままでの温暖化対策ではこの変化をいかに小さくするか、に注目していました。

 でも、バランスを決めているのは出て行く部分だけでなく、やってくる部分の影響も大きいはず。というわけで太陽から地球にやってくるエネルギーを小さくする、と考えてみたらどうでしょうか。

 太陽から地球にやってくるエネルギーは(太陽に真向かいの面積を基準として)1367 Wm -2です。半径が地球の公転軌道の半径(1.5億km。地球の公転軌道は本当は楕円なので年間では多少変動します。)というか太陽と地球との距離と一致する巨大な球殻を考えると、その内面にやってくるエネルギーは太陽の放出する全エネルギーに等しいはず。その値を Q[W] とすると

Q = 4πr2S

となります。ここで 地球の公転軌道の半径、Sは太陽定数です。実際に計算すると

4×3.14×(1.5×1011m) 2 × 1367 Wm -2 = 3.86×1026W

です。

 さて、このQは(多少の変動はあるにしても)一定だと考えられるので最初の式は S 、つまり地球に軌道半径と太陽定数の関係を与えているとも考えられます。

S = Q /(4πr2)

つまり太陽定数 S は地球と太陽の間の距離 r の2乗に反比例しているわけですね。

 地球の軌道半径 r が Δr だけ変化すると太陽定数はどの程度変化するのでしょうか。-2乗に比例するので Δrr に比べて充分に小さい場合太陽定数の変化 ΔS

( ΔS/S ) ≒ -2 (Δr/r )

となります。

 

Photo_20200712111901

 以前、こちらの記事で地球の温度と人類の放出する熱エネルギーの関係を

ΔT ≒ 1/4 T (QH/QS)

と求めていますが、やってくるエネルギーは太陽定数に比例しているので同様に

ΔT ≒ 1/4 T (ΔS/S)

という関係が成り立つことがわかります。先に求めた温度変化の見積と合わせると

ΔT ≒ - 1/2 T (Δr/r )

となります。

 地球の温度 T を300K程度、温度変化 ΔT を -2℃ とすると Δr = 4/300、= 1.5×1011m だったので

Δr = 2.0 × 109 m

となります。2百万 km 地球を太陽から離せば温暖化の影響を帳消しにできるのです。

 地球の直径が1万3千 km 程度なのでその150倍程度の移動が必要という結果です。うーん、そんな事ができる技術があったら温暖化問題も簡単に解決できるような。

 

(おまけ)

ということで、私は「地球の軌道変更を要請します」

「バカを言え。地球の軌道をどうして変えるんだ!」

「エッ…なんだって、オイ!地球は自分で動けないのか!…勝手に動いている物の上に人間は乗っかてるだけなのか?…それだったら、野蛮な宇宙のほとんどの星と同じじゃないか!」

 

江頭 靖幸

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