「正しい答案はどれも似たものだが、間違った答案はいずれもそれぞれに間違っているものである。」(江頭教授)
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夏学期が終わると学生さん達は夏休み。でも教員には採点という業務が待っています。例年ですと期末試験の答案の束をごっそり持ち帰って、試験ならぬ宿題に頭を悩ますのですが、今年はオンライン中心の授業で「ごっそり持ち帰る」答案用紙の束はありません。オンラインで提出された課題をPC上で採点する、というのが2020年度の、少なくとも2020年度前半のスタイルです。
オンラインでの課題の提出の良いところはデータ処理がやりやすいことでしょう。とくに答えが数字で出てくるタイプの課題だと一斉に採点して横断的に評価をすることができてとても便利。「この問題は難しかったか」とか「結構みんな頑張ってるなあ」などいろいろな情報が簡単にまとめられて興味深いですね。とは言え、手書きの答案を一つ一つ採点してゆくのもそれはそれで面白い作業ではあります。
さて、今日の写真の人、誰だか分かりますか?ロシアの文豪、トルストイです。でも、なんでトルストイが出てくるのかって?
トルストイの言葉として「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」というものがあるんですが、私もトルストイにちなんで常々「正しい答案はどれも似たものだが、間違った答案はいずれもそれぞれに間違っているものである。」と言っています。
正しい答案はこちらの考えたとおりの道筋で答えに到達する訳ですから皆、よく似ています。それに理解もし易くて採点もはかどるものです。一方間違った答案は何かの誤解に基づくものな訳ですが、その誤解の仕方は個々人それぞれ。時として突拍子もない考えにも出くわすので一期一会の真剣勝負とでもいいましょうか、非常に労力がかかるケースもちらほら。でも、逆の見方をすれば学生さんの間違い方のサンプルを見せてもらっている訳ですから、これも今後の授業の肥やしになっているのでしょうか。
さて、オンラインでの採点にも良いところもありますが、旧来の手書きの答案も追々復活させてゆきたいところです。
PS:「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」というのは「アンナ・カレーニナ」 の書き出しなのだそうです。日本で言うと「名前はまだ無い」みたいな感じなのでしょうか。「アンナ・カレーニナ」 とかタイトルは知っているけど読んだことないなぁ。
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