トラックポイントお婆ちゃん(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
私自身が確認したわけではないのですが「PCを使う際にマウスをなるべく使わない様にしましょう」という内容の本があるのだとか。面白いことを考える人がいるなあ。なんでそんな必要があるのだろう。キーボードのホームポジッション(FとJに左右の人差し指を置いた状態のことです)から外れるのが嫌なのだろうか。それならトラックポイントを使えば良いのに。
と、ここまで考えてはたと気がついたのですが、世の中でトラックポイントを使っているのはマイノリティでしたね。
さて、トラックポイントの説明から。下の写真にある様にキーボードのG,H,Bのキーの真ん中にある赤い突起のことです。全てのパソコンについている、というのではなく、ThinkPadというブランドのノートPCに主に採用されている特別な「突起」です。これの役割はマウスの代わり。両人差し指をつかってこの突起に力をかけることでカーソルを移動させることができるのです。ThinkPadはIBMによってビジネス用に
開発されていたノートPC(現在はLenovoというメーカーに引き継がれています)でトラックポイントも効率的な入力を可能にするように工夫されています。マウスと違ってホームポジションから手を動かさずに指先の移動だけでマウスと同じような操作ができること。また、トラックポイントは突起が受ける力に反応するのでタッチバッドのように実際に指を動かす必要が無いことが特徴です。
私はこのトラックポイントが凄く気に入っているのでノートPCはいつも ThinkPad を利用していますし、デスクトップのPCにもトラックポイントのついたものを接続して使っています。
実は私の母(80歳を超えたおばあさんです)もこのトラックポイントの愛用者なのです。別にビジネス用途にハードにPCを使いこなしている、という訳ではありません。寄る年波で手が震える(本態性振戦と呼ぶそうです) から、というのがその理由。マウスをつかうと巧く目標の場所にカーソルを動かすことができないのだとか。手を動かして目的の位置で止める、という動作が難しいのですからタッチバッドも同様です。
その一方で、トラックポイントでは手は常にホームポジションのまま。指の先の動作も突起に指を当てるまでで、その後の操作は突起に力をかける、という動作で行うことになります。ちょうど目標の位置ぴったりに手を動かす、という動作はトラックポイントでは不必要なのです。実際の操作は指先への力のかけ具合で調節することになるのですが、このとき指は突起を押さえつける形なっているので、微妙な調節は必要ないわけです。
トラックポイントを開発した人たち(IBM大和研究所の人たちでしょうか?)は別に本態性振戦への対策を考えていた訳ではないと思いますが、意外なかたちで役に立っている、という訳です。こんなユーザーもいる、ということを考えてThinkpadを引き継いだLenovo社もトラックポイントを作り続けて欲しいところです。
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