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大学院秋入学式での祝辞(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 2020年9月25日に大学院秋入学式が行なわれました。
 実は当日朝、「式次第」を確認するまで研究科長として自分が祝辞を述べることを意識していませんでした。朝、7時半に気がついて、昨年の祝辞を参考にあわてて原稿を作りました。しかし、十分に練習できず、あまり上手には喋れませんでした。以下の原稿で、ボールド体のところは喋れましたが、ローマン体のところは喋り忘れてしまいました。
 祝辞の原稿を以下に掲載します。この秋に入学した早期卒業生の皆様の大学院生活が実り多く充実することを心からお祈りいたします。

200925
2020年度大学院秋入学式 工学研究科長 祝辞 原稿

 みなさん。大学院への進学、おめでとうございます。
 でも、周りから「めでたい」「めでたい」といわれても、本人がおめでたくなっていてはいけません。本当にこの入学がめでたくなるかどうかは、これから1年半の皆さんの努力と活躍にかかっていることを忘れないで下さい。

 <アドリブ>先の先生方(大山学長、梶原研究科長)もおっしゃっていたように<アドリブ終わり>、早期卒業制度を利用して進学した方の修士課程はたったの1年半しかありません。これまでの大学生活を振り返ってください。3年半は短かったでしょう?。さらに短い1年半で修士として相応の技能や実力を身に着けなければいけません。時間的な猶予はありません。
 これからは地獄のような忙しい日々になります。しかし、安心して下さい。「極楽は飽きる、地獄は慣れる」とも申します。できるだけ早く忙しさに慣れてください。

 これからの1年半は本当に忙しいことでしょう。研究成果を出さなければ間に合いません。学会発表もし無ければなりません。講義もたくさん受けて、単位をとらなければなりません。人によってはTAなどで後輩の指導もしなければなりません。指導の先生は次々と無理難題を吹っかけてきます。プレッシャーをかけてきます。まったくもって大変です。このような修羅場を皆さんは切り抜け、駆け抜けて行かなければなりません。

 この危機を切り抜けるためには時間を上手につかうしかありません。タイムマネジメントですね。時間管理は社会人の必須アイテムです。

 私の3つのタイムマネジメントの指針を持っています。それについてお話しします。

 

Fig1_20200928060501

会場、KE402

 ひとつめは、〆切を意識することです。〆切は絶対です。学会開催日を過ぎてから成果を出しても、発表できません。当たり前です。修士論文の〆切りに間に合わなければ、修士号をもらえません。

 ふたつめは、時間マージンを設けることです。πファクターということばがあります。大事な絶対に破れない〆切までのマージンは、必要な時間の3倍必要です。1週間かかる仕事の〆切が3週間後の場合、今すぐに仕事に着手しなければなりません。仕事をしていると、別の仕事も飛び込んできて、気がつけば余裕があるはずの〆切が目の前に迫っていきます。土壇場でミラクルが起こることはありません。〆切りがくればそこまでです。

 みっつめは、長期プランを立てるということです。
 私ははたちの時に「1万日勉強して、1万日働いて、1万日遊ぼう」と人生計画を立てました。つまり、27歳で博士をとるまでは、勉強して実力をつける。27歳から54歳までは仕事を通して社会に貢献しよう。そして、55歳から82歳まで楽しく仕事をして、しかし、それが社会の役に立つようになろう。という人生計画です。だから、私は82歳で亡くなる予定です。
 長期的な人生計画を立て、その視点で行動しましょう。残念ですが、人間に与えられた時間は限られています。人生の長さを意識しましょう。メメント・モリ(死を思え)ということばにはいろいろな解釈がありますが、死を意識することでよく生きることが大事です。そして、人生は何もしないのには長過ぎますが、何かを成し遂げるには短すぎます。

 長い皆さんの人生の中で、この大学院の在学時期が充実したものになり、有意義なものになることを、心からお祈りいたします。

これで私の祝辞を終わります。

片桐 利真

 

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