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2020年10月

2020.10.30

それでもあなたは間違っているー物質収支のはなし(江頭教授)

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 学生実験で「蒸留」の実験をしている、という話はずいぶん前のこちらの記事で紹介しています。実はその後の見直しで一時中断していたのですが、今年度から再開しています。

 さて、この実験ではエタノールと水を混ぜて図のような装置によって蒸留を行い、得られるエタノールの純度と回収率とを求めるという内容なのですが、同時に物質収支についても検討してもらう事にしています。

 「物質収支」という言葉を聞いたことがない人も多いかと思います。文字どおり「物質」の「収支」のことで、マテリアルバランスと言ったほうがピンとくるでしょうか。

 今回の実験では「三口フラスコに入れたエタノールと水の混合液」の量(質量です)が「蒸留された溶液」と「三口フラスコに残った溶液」の質量の和に等しいか、という確認。さらにエタノールのみに注目して「入れたエタノール」が「出てきたエタノール」と「残ったエタノール」の和になっているかも確認することになっています。

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2020.10.29

そろそろ来年の時間割の話をしよう(江頭教授)

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 来年の話をすると鬼が笑う、と言いますがこちらは鬼が大爆笑しそうな来年度、つまり2021年4月からの時間割のお話しです。

 本学の工学部は2015年の開設です。私もその時からこの大学にいたので、時間割がまさにゼロから作られていく過程を目撃しました。まず最初の年度は1年生しかいませんから時間割の調整も比較的簡単。2年度目でもまだ余裕。などと思っていると3年度目の時間割は結構大変なことに。

 はじめのうちは、朝1限はなるべきはずそう、せっかく大学に来ているなら空き時間をなくそう、などといろいろ学生さんに配慮した時間割が組まれていたのです。でも、3年度目になると必要な授業を巧く配置すること自体が難しいパズルの様に。教員への配慮も無くなって、私は月曜1限から5限までぎっしり埋まる、という時間割になってしまいました。

 とは言え、これは3年度目がクライマックスで4年度目になるころには一段落。大学の4年生は基本的に卒業研究が中心となるので時間割の設計は実質的には3年度目で終了しているのです。

 さて、開設4年目で時間割は完成。あとはそのままか、というとそんな事はありません。

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2020.10.28

耳の痛いマスクのはなし(江頭教授)

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 マスクについて「不都合な真実」的な何かをお話ししようという訳ではありません。本当に、物理的に、生理的に「耳」が痛い、というお話です。

 わたしはそもそも眼鏡着用者なのでコロナ騒動以前から耳、というか耳の付け根にそれなりの負担をかけて生活していました。年度末など忙しい時には「眼鏡の蔓が痛い」と感じることもしばしば。これにマスクのひもがプラスされたのですからもういけない。慢性的な耳の痛みを感じるようになりました。

 ところがこれが終わりではなかったのです。このブログでも何回か触れてきたのですがこの冬学期(正確には後期ですね)から「対面授業、ただし遠隔受講化」というスタイルの授業をいくつか始めたのですが、その際に耳にかけるタイプのヘッドセットを用いることに。ヘッドセットとしての性能には満足しているのですが、これも耳に負担がかかるのです。

 さて、困った。どうしたものか?

 

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2020.10.27

期末試験のこと (江頭教授)

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 私のところに大学の学務課から「【八王子キャンパス】2020後期 定期試験時間割(案) 確認のお願い」というメールが届きました。そうです、期末試験の時間割についての連絡がきた、つまり本学では後期の定期試験を行う、ということです。

 いや、大学で試験があるのは当たり前だろう。

 それはそうなのですが、前期は授業がオンライン化されていたために定期試験を実施できなかったのです。試験では本人確認が必要ですし、カンニング対策も重要です。これをオンラインで行うというのは(原理的にはいろいろな方法が考えられると思いますが)実際には困難だ、という判断で前期は試験なし、ということになりました。

 当然「【八王子キャンパス】2020前期 定期試験時間割(案) 確認のお願い」というメールが来ることはなかったのですが、後期は対面授業となった科目も多く、それらの授業では試験を実施することもできる様になったということです。

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2020.10.26

IoT ( Internet of Trees ) について(江頭教授)

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 前回の記事ではIoT(Interenet of Things)の森林版として IoT 、Interenet of Trees という名前を出したのですが、これは単なる思い付きの命名、まあ駄洒落のようなものです。でも書き終わった後にもしやと思って調べると、なんと真面目にこのInterenet of Trees、IoTrees の研究をした組織があるのですね。

 下図がそのIoTreesのホームページ。esaのWebサイトの一部です。で、esaって何でしょう?これは欧州宇宙機関( European Space Agency )のことでEU版NASA、というかEU版JAXAのようなものでしょう。IoTreesの内容は前回の記事で私が書いた内容とほぼ同じ。とくに樹木に取り付けるセンサーとしてデンドロメータを選んでいるあたり、わかってらっしゃる、とい感じです。
 宇宙機関のプロジェクトということですので、デンドロメータのデータは衛星通信をつかってクラウドに送られるとか。たしかに人口密度の低い地域の広大な森林をモニタリングするならその方法が有効ですよね。

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2020.10.23

樹液流センサーの未来(江頭教授)

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 前回の記事では樹液流センサー、つまり伝熱現象を利用して樹木の中を流れる水の速さを測定するセンサーの、とくにグラニエセンサーについて紹介しました。今回は想像の羽を広げてこの樹液流センサーが今後、どのように使われてゆくかを思い描いてみましょう。

 現在、樹液流センサーの利用目的としては一部農業分野での利用(灌漑の計画など)も挙げられていますが、それ以外は研究目的での利用が想定されています。とはいえ、将来的、それもごく近い将来にIoT(Interenet of Things)のネットワークが構築されたとき、その中に樹木も含まれているべきでしょう。これもまたもう一つの IoT 、Interenet of Trees ですね。

 日本の国土の3分の2を占める森林が IoT から外れていて良いわけはありません。日本の森林がどのような状態なのか。例えば今現在どのぐらいの二酸化炭素が固定されているのか。今日は固定が進んでいるのか、放出が優勢なのか。去年からどのくらい増えて、来年はどのくらい増えそうなのか。などなど、日本全国津々浦々の木々にたくさんのセンサーが取り付けられて日本の森林の健康状態がリアルタイムで把握できるような世界、それが Interenet of Trees の世界です。どこかの森林の成長が悪い。だとしたらそれはその森だけの話なのか、近隣の状態はどうなっているのか。限られた人手で森林を管理し続けるには必要な投資でしょう。

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2020.10.22

樹液流センサーのこと(江頭教授)

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 私は乾燥地植林に関する研究を行っていますが、その時いつも問題になるのがどこから水を調達するのか、調達された水はどの程度有効に使われるのか、といった水に関する情報です。特に樹木がどれだけの水を利用するのか、は重要な情報なのですがこれはそう簡単に知ることができません。

 さて、この樹木が利用する水についての情報を与えてくれる「樹液流センサー」、つまり樹液の流れを計るためのセンサーはいろいろな種類があります。そのどれもが水の流れと伝熱との相互作用を利用していますが、もっともシンプルなのが発熱するヒーターを樹木の中に埋め込んでその温度を測定するタイプ。ヒーターの温度は流れた止まっているとき最も高くなるのですが、樹液が流れると、そしてその流れが早いほどヒーターは冷却されて温度が下がる。その下がり方を測定することで樹液流を測定するのです。

 実際のセンサーはヒーターだけでなく、基準となる周辺の温度を測定するためのプローブが必要で、樹木に2本の針状のプローブを埋め込んだ形となります。このタイプのセンサーは開発者の名前をとってグラニエセンサーと呼ばれています。シンプルでありながら信頼性が高いことがメリットです。

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 上の写真は実際にこのタイプのセンサーを取り付けたところ。3組のセンサーを取り付けたので合計6本のプローブが樹木に埋め込まれています。

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2020.10.21

板書には iPad + Apple Pencil が最高な件(江頭教授)

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 板書って、iPad は黒板の代わりにはならないでしょう。

 それはそうですね。実は今回のお話しは「対面授業、ただし遠隔受講可」の授業についてのお話しです。本学では対面授業を重視していますが、学生個々人の異なる状況に配慮して遠隔受講も可能とする、という取り組みをしています(こちらの記事をご覧ください)。理屈はその通りだとしてどのように実践するのか、ということで対面の授業をしながら配信もする、という授業の実施方法についても検討しました(詳細はこちらの記事に)。

 授業を配信する場合、そのまま「授業を配信する」と考えると難しい。逆に「オンライン授業を対面で実施する」と考えればやりやすいのでは、と考えました。でも今までの対面授業の中でどうしてもやり続けたいことがある。私にとっては黒板に板書することがそれでした。自分の授業の中で定番になっていて、これをオンラインでやるにはどうするべきか、というのが課題になったのです。

 ビデオカメラで黒板を写す。これが一番単純な発想なのですが、この場合文字はそれなりに大きく書かなくてはなりません。それに受け手の学生さんの状況によっては充分な解像度の映像が送られるかどうか分かりません。

 ならば、PCの画面上に文字や図形を書いてその画面を授業の参加者と共有したらどうだろう。マウスで文字や図形を書くのは難し過ぎるからペンタブレット(PCに接続する入力装置で、ペンを利用するもの)で書けば良いのでは。

 なるほどこれなら「板書」をきれいな映像で発信できそうだ、と思ったのですがペンタブレットというものはキーボードの様にPCの前にどっしりと腰を落ち着けて操作するものなんですよね。これでは、チョーク一本で黒板に線を書き足して行く様な、今までの感覚とはほど遠いものになりそうです。

 ならペンタブレットじゃなくて普通のタブレットなら良いのでは。タブレット自体をネットにつないで、そこから発信するということで。これなら片手にタブレットを、もう一方の手でペンを持ちながらスクリーンの前で説明しながら絵や式を書くことができそう。

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2020.10.20

「単位を取るために大学を出」る人なんているのかな?(江頭教授)

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 政治向きのはなしはこのブログにはふさわしくないというのは重々承知しているのですが、大学に籍を置くものとしては一言言わねばなりますまい。少し前のニュースですが、静岡県知事が日本学術会議問題で菅総理を「教養レベルが露見した」と痛烈に批判というのです。それだけなら、そんな話があったのですね、ぐらいなのですがその時の知事の言葉として

「菅義偉さんは (中略) 学問された人ではないですね。単位を取るために大学を出られたのじゃないかと思います」

との発言が紹介されていたのです。

 いや、いくら何でもそんな人はいないでしょう。普通の人は「大学を出るために単位を取る」のではないでしょうか。あるいは「学位をとるために大学に入る」のでは。純粋に単位をとることを喜びとする人がもし居たとしたら、それはそれで(学問ではないかもしれませんが)何かを極めた人物だと思います。でも、それにしたって大学を出ちゃだめでしょう。大学に入らなくちゃ単位はとれない。

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2020.10.19

「第2回大学院フェスティバル」が開催されました(江頭教授)

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 皆さんの中で「大学院フェスティバル」という言葉を聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか?少なくとも私はこのイベントではじめて聞きました。本学の大学院のイベントですが対象者は本学の学部学生。大学院生が学部生に向けて自分がどんな研究をしているのかを紹介する、それがイベントのメインです。

 我々応用化学科の学生が大学院に進学する際、普通は「サステイナブル工学専攻」となります。「応用化学専攻」ではないのですね。「サステイナブル工学専攻」は「工学部」とは異なって学科ごとの運営ではありませんから、この大学院フェスティバルというイベントも応用化学に限定されずにいろいろな専門の学生さんが参加することとなります。

 実はこのイベントが開催されたのは今年で2回目。昨年度は対面で行っていたのですが、今年はご多分に漏れずオンラインで開催となりました。

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2020.10.16

メンタルヘルスケアをテーマに全学教職員会が開催されました(江頭教授)

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 東京工科大学では月に一度、八王子キャンパス、蒲田キャンパスを通信で結んで「全学教職員会」と称した講習会を開いています。(この「全学教職員会」についてはこのページでも紹介しています。)「全学教職員会」もコロナウイルスの感染拡大の影響をうけてオンライン開催となっていました。前回の「オンライン授業の作り方」では内容と形式がぴったりマッチしていましたから、オンラインでの「全学教職員会」も一概に悪いとは言えません。でも、やっぱり全学の教員・職員が一堂に会する、というのは貴重な機会です。(まあ、八王子キャンパスと蒲田キャンパスに分かれているので「二堂に会する」なのかも知れませんが...。両キャンパスの間は中継でつながれていますが、その意味では当時からオンラインだったと言えるかもしれません。)

 さて、今月10月の14日に開催された全学教職員会から対面の「全学教職員会」が再開されました。八王子キャンパスの会場は片柳研究棟の地下ホール。最初に挨拶に立った大山学長からも「やっと直接お目にかかれた」と。対面で再開されたいくつかの授業と同様、なんとなくコロナ騒動以前に雰囲気が戻ってきている気持ちになります。とは言え学長もマスクを付けての挨拶。完全に昔に戻るにはまだまだ時間がかかりそうです。

 今回のテーマはメンタルヘルスケアについて。本学医療保健学部の中川 和美教授が登壇されました。

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2020.10.15

久々の夜のお散歩(江頭教授)

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 4月から5月にかけて、新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響で東京工科大学のキャンパスは閉鎖。我々職員も在宅勤務となりました。毎日家から出ないのはさすがに良くない。体が鈍ってしまう。ということで早朝や夜に散歩をして運動不足を解消していました。

 さて、時は流れて今は普通に出勤する日々。普段の日常が戻ってきて散歩の必要もなくなりました。と、思っていたのですが新学期が始まって授業がスタートするとぐっとやることが増えました。大学にいる間、ずっと机にしがみついているだけ。目と指先は酷使されていますがが全く体を動かすということがありません。うーん、これではキャンパス閉鎖期間よりも運動不足なのでは?

 そう思って久々に夜の散歩に出てみました。

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2020.10.14

履修登録、完了!(江頭教授)

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 これを読んでいるあなたがもし高校生、あるいは中学生だったらまだあまり実感はないかもしれません。大学生になったら自分の受けたい授業を受けることができる「選択」という制度があります。例えばわれわれの応用化学に入学した1年生。月曜日1限は「国語」とか「算数」といった教科が決まっているわけではありません。後期の月曜1限には「芸術論/哲学と思考/人間と倫理/世界の宗教/日本語リテラシー/政治と社会」という六つの授業のなかから自分の受けたい授業を選ぶ、つまり選択すればよいのです。(もっともこれは学生番号が奇数の人の話。偶数の学生さんは月曜日の2限が選択授業の時間です。)

 もちろん、どんな授業も選択、というわけにはいきません。例えば我々応用化学科の場合なら「学生実験」。これはさすがに全員に受けてもらいたい授業ですから「必修」の授業だ、と言われるのです。

 中には「選択必修」という授業もあります。どっちやねん、と言いたくなりますが「選択必修の授業のうちからず○○個以上の授業をんで受講するように」という縛りがあるのですね。

 さて、「選択」なのだからどの授業を受けるか、を意思表示するプロセスが必要です。それが履修登録。今回は10月6日が1,2年生、7日は3,4年生、そして8日には再チェック、という日程で行われました。

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2020.10.13

大気中のフロンの濃度はどれくらい?(江頭教授)

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 「オゾン層の破壊」という地球環境問題の原因がフロンである、というお話しはほとんどの人が知っているのではないでしょうか。では、そのフロンは一体どのくらい大気の中にあるのでしょう?今回は環境省の「オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」に乗っているデータにもとづいて、その現状を確認したいと思います。

 以下の図は件の「オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」に示された資料の一つ。そのものズバリ、CFC-11、CFC-12などのフロンの濃度の経年変化が示されています。

 まず注目するべきは、縦軸ですね。数値は最大600でCO2濃度のグラフとあまり変わりませんが単位が違います。CO2ならppmですがこちらはppt。6桁、100万倍の違いですから、まさに桁違いに少ないのですね。(まあ、当然ですが。)

 次に(N)、(S)という二つのグラフが並べて書かれている点にも注目しましょう。(N)は北海道で測定された値。(S)は南極での値で、地球の両端(ぐらい)のところで測定された二つの測定がほとんど同じ値を示す、ということが分かります。

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2020.10.12

2020年度後期の時間割(江頭教授)

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 つい先日の話、都合で昨年度の時間割と今年度の時間割を比較する必要があり、2019年度の工学部時間割(工学部の三学科は一体で時間割をつくっています)を取り出しました。半年と少ししか経っていないはずなのですが見てびっくり。時間割ってこんな感じだっけ?

 以下に2020年度(左)と2019年度(右)の時間割を載せています。ともに後期のものですが詳細はともかく見た目が全く違う。昨年の時間割はほぼ白黒で、注意を促す赤色が少し使われている程度。一方で今年の時間割は黄色地青地に黒文字赤文字と実にカラフルです。昨年までの時間割はガイダンス時に印刷したものを配布していました。でも、今年はオンライン化でネットからダウンロードすることになりました。だからといって、カラー印刷が不要になったからカラフルに、という訳ではありません。(まあ、それもあるのかもしれませんが。)

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2020.10.09

今日はお休み、でもちょっと寂しいお休みです(江頭教授)

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 本日2020年10月9日、そして来週の月曜日の12日も東京工科大学の八王子キャンパスはお休みです。土日を含めて4連休。新学期が始まってほぼ2週間、ちょっと早いシルバーウィーク、ということなのでしょうか。

 この連休、本来であれば本学の学園祭、紅華祭が予定されていたのです。

 紅華祭は10日と11日の土日に実施、今日金曜日はその準備、そして12日の月曜日は後片付け、という予定の4連休でした。残念なことに今年の紅華祭は早々に中止が決定。もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大防止がその理由です。

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 この写真は2018年の紅華祭の準備風景。本来なら特設ステージのイベントで皆が盛り上がるはずだったのですが...

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2020.10.08

海と空はどちらが大きいのか(江頭教授)

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 空は果てしなく高く、海はどこまでも青い。

 などと言ってみましたが今回のお題は空と海のどちらが大きいのか、という話。前回は空、というか大気の大きさを計算で求めたのですが、数字が大きすぎて今ひとつ実感が沸かない、ということで海、というか海水と比較してみよう、というのです。

 海のサイズを計算で、と行きたいところなのですが、さすがにこれは簡単ではありませんから調べなくては。前回の大気の体積4.1×1018 m3 と単位を合わせると 1.4×1018 m3という情報がでてきます。

 そうか、海は空より小さいのか。海の体積は大気の体積の三分の一程度です。なお、大気には明確な天井がないので高さは定義次第で変わる、と前回も書いたのですが、この 4.1×1018 m3 という値は「大気が上層まで地表の密度だったら」という比較的小さな値(約8 km)での計算値です。他の定義をとれば海との体積の差はもっと大きなものになるでしょう。

 それはそうだ。深海、というか海溝の底が 10,000 m、つまり 10 km 程度。大気の高さと同じくらいです。でも海は地表の全てを覆っている訳ではありませんよね。

 では質量はどのくらいの比率になるのでしょうか。

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2020.10.07

大気の量はどのくらい?(江頭教授)

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 「天高く馬肥ゆる秋」などと申しますが、はて天はどのくらい高いのでしょうか?というか、大気はどのくらい高いのでしょうか、という話は実はこのブログで書いたことがあります(こちら)。大気は上層に向かって薄くなっているので天井、というかハッキリした境界がないので大気の厚さを厳密に決めることはできません。定義によって15kmとか8kmとか、その程度の高さです。やっぱり高いなあ。富士山の倍以上か。

 地球の周囲長は約40000 km なので半径はこれを2πで割って6366km。ということで、今度は地球の半径とくらべると大気の厚さは0.何とか%というレベル。非常に薄いとも言えますね。

 では大気の量はどのくらいなのか、というのが今日のお題です。

 先の地球の半径の値から表面積を計算すると5.09×108 km2となります。高さを 8 kmとすると4.07×109 km3 という値を求めることができました。

  では質量はどのくらいなのでしょうか。

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2020.10.06

私には「直近の活動限界」があるらしい(江頭教授)

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 「あなたには直近の活動期限があります。」というタイトルの見慣れないメールが届きました。はて、新手のスパムでしょうか。困ったものだ、と思ったのですが出所は東京工科大学のクラウドサービスセンターです。一体何だろう、と開けてみると…。

 講義の課題提出の期限た近づいているよ、というお知らせでした。moodle という本学で使っている学習支援システムから送られてきたものでした。

 私は自分以外の先生の授業を取っているわけではない(というか取れない)のですが、moodle では自由に(というか勝手に)ほかの先生の授業ページを覗くことができます。その際、学生というロール(資格)で登録することになるのですが、その記録に従って私に早く課題を出すように催促のメールが来た、ということの様です。

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2020.10.05

「オンライン授業」について考えてみる その2 (江頭教授)

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 前回に引き続いて「オンライン授業」について考えてみましょう。今回想定するのは大教室でたくさんの学生を相手にする授業です。この手の授業は「マスプロ授業」、つまり大量生産のような授業と言われて教育効果に疑問がある、とされてきました。では、これをオンライン化するとどうなるのでしょうか。

 いままでやっていた授業を映像にとってそのまま流す、それが一番簡単なオンライン化でしょう。その場合、話を聞いている学生は完全に聞いているだけの状態になります。他の学生と私語をしない分だけ教育効果がある?いえ、学生さんがオンライン配信を聞いている正にその機械は誘惑に満ち満ちているのです。本人にやる気が無い場合は教育効果はないのでは。(まあ、本人にやる気が無い場合はどんな方法でも教育効果は無いのですが。)

 ということで、学生には自分で文章を読んでもらいましょう。読む作業は映像を見たり音声を聞いたりするよりもずっと能動的な作業ですからちゃんと頭に入るでしょう。いままで使っていたスライドに解説文をつけて、それを読んでもらう。分からないところは教科書を参照してもらいましょう。

 これにプラスして課題もやってもらいます。授業で取り扱ったテーマについて独自に調べて簡単なレポートを書く、というもの。こらなら学生も遊んではいられません。うん、これで対面授業を越えるオンライン授業の完成だ。Online_school_girl_20201004111801

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2020.10.02

「オンライン授業」について考えてみる(江頭教授)

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 今回のタイトルは少し曖昧ですね。「オンライン授業」にも色々あります。大学の専門科目に限っても数百人をあつめて行う講義から完全にマンツーマンの卒業研究まで、一概にまとめるのは不可能でしょう。

 ということで、ここでは一クラス数十人くらいの授業、それも小テストや演習が比較的多い授業を想定して「オンライン授業」と普通の授業を比べてみたいと思います。

 まず、今までの授業はどうやっていたっけ?教科書を使った授業だったから、授業のWebサイトに「本日は○○ページから××ページまでを自習しなさい。」というのが最もミニマムなやり方。でも、さすがにこれはないでしょう。

 手元にはいままで使っていたスライドがあります。これも授業のWebサイトにアップロードしてみます。うーん、スライドを見るだけならあっという間に終わってしまう。逆にスライドを詳しく読み込んでいくといくらでも時間がかかる上に曖昧な部分も多い。本来のスライドの使い方を考えればスライドには音声の解説をつけるとか、文章で説明文をのせるとかしないと。

 今までの授業では課題をノートの答えさせたり紙に書いて提出させたりしていました。Webで解答できる小テストやレポート提出を加えてみましょう。小テストは自動採点されますから、生徒さんはすぐに結果を確認できます。うん、これで対面授業で行っていたことは大体オンラインに反映できたぞ。

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2020.10.01

「開放教室」のこと(江頭教授)

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 あの「漂流教室」の続編が...、とかそんな話ではありません。新学期から本学で開始された制度で、これもまた新型コロナウイルスへの対応の一つです。

 本学では新学期から対面授業を積極的に実施しています。もちろん感染にたいする対策をとり、学生のみなさんの個別のリスクにも配慮しつつ実施しています。とはいえ全ての授業が対面授業になったわけではありません。教養科目を中心にオンラインの授業もまだそれなりに行っています。そのままだと「対面」と「オンライン」の授業がまだら模様になった時間割ができあがるのですが、それでは「家でオンラインの授業を受けた15分後に対面授業」など瞬間移動が必要になってしまいます。

 もちろん、時間割を調整してこのようなジャンプを少なくするようにしているのですが、それでも曜日によって、人によってはオンライン授業と対面授業が連続する、という状況が起こってしまいます。

 瞬間移動はあり得ないですし、対面の授業を家で受けることも無理です。結局、オンラインの授業を大学で受講する、というのが解決策でしょう。ということで大学でオンラインの授業を受ける教室、つまり学生さんが自由に居られる教室が必要だ。それが「開放教室」だというわけです。

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