それでもあなたは間違っているー物質収支のはなし(江頭教授)
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学生実験で「蒸留」の実験をしている、という話はずいぶん前のこちらの記事で紹介しています。実はその後の見直しで一時中断していたのですが、今年度から再開しています。
さて、この実験ではエタノールと水を混ぜて図のような装置によって蒸留を行い、得られるエタノールの純度と回収率とを求めるという内容なのですが、同時に物質収支についても検討してもらう事にしています。
「物質収支」という言葉を聞いたことがない人も多いかと思います。文字どおり「物質」の「収支」のことで、マテリアルバランスと言ったほうがピンとくるでしょうか。
今回の実験では「三口フラスコに入れたエタノールと水の混合液」の量(質量です)が「蒸留された溶液」と「三口フラスコに残った溶液」の質量の和に等しいか、という確認。さらにエタノールのみに注目して「入れたエタノール」が「出てきたエタノール」と「残ったエタノール」の和になっているかも確認することになっています。