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板書には iPad + Apple Pencil が最高な件(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 板書って、iPad は黒板の代わりにはならないでしょう。

 それはそうですね。実は今回のお話しは「対面授業、ただし遠隔受講可」の授業についてのお話しです。本学では対面授業を重視していますが、学生個々人の異なる状況に配慮して遠隔受講も可能とする、という取り組みをしています(こちらの記事をご覧ください)。理屈はその通りだとしてどのように実践するのか、ということで対面の授業をしながら配信もする、という授業の実施方法についても検討しました(詳細はこちらの記事に)。

 授業を配信する場合、そのまま「授業を配信する」と考えると難しい。逆に「オンライン授業を対面で実施する」と考えればやりやすいのでは、と考えました。でも今までの対面授業の中でどうしてもやり続けたいことがある。私にとっては黒板に板書することがそれでした。自分の授業の中で定番になっていて、これをオンラインでやるにはどうするべきか、というのが課題になったのです。

 ビデオカメラで黒板を写す。これが一番単純な発想なのですが、この場合文字はそれなりに大きく書かなくてはなりません。それに受け手の学生さんの状況によっては充分な解像度の映像が送られるかどうか分かりません。

 ならば、PCの画面上に文字や図形を書いてその画面を授業の参加者と共有したらどうだろう。マウスで文字や図形を書くのは難し過ぎるからペンタブレット(PCに接続する入力装置で、ペンを利用するもの)で書けば良いのでは。

 なるほどこれなら「板書」をきれいな映像で発信できそうだ、と思ったのですがペンタブレットというものはキーボードの様にPCの前にどっしりと腰を落ち着けて操作するものなんですよね。これでは、チョーク一本で黒板に線を書き足して行く様な、今までの感覚とはほど遠いものになりそうです。

 ならペンタブレットじゃなくて普通のタブレットなら良いのでは。タブレット自体をネットにつないで、そこから発信するということで。これなら片手にタブレットを、もう一方の手でペンを持ちながらスクリーンの前で説明しながら絵や式を書くことができそう。

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 確かにタブレットの画面に入力するためのペンがいろいろあるのですが、いくつか試してみた感じではペンは画面にタッチするためのもので、字を書いたり絵を描いたりする用途には使えないようです。頑張って書けないことはありませんが、チョークの様にすらすらと、というのからはほど遠い。書き味が良くない、というか悪いものがほとんどなのです。

 そんな中で唯一充分な書き味を実現してくれたのが、表題にある iPad と Apple Pencil の組み合わせでした。技術的な詳細はいろいろある様ですが、実用的な「手書き」が可能な唯一のシステムではないかと思います。

 実は我々が利用しているビデオ会議システムの Zoom にはPCから iPad の画面を共有する機能があります。ですから、Zoom + iPad + Apple Pencil を用いてプロジェクターででPCの画面をスクリーンに映せばよい。iPad を片手に Apple Pencil で書いた文字や数式がスクリーンにそのまま表示されて、Zoom を通じて学外のいる学生にも伝わる。これならかなりオリジナルの「板書」に近い雰囲気です。いろいろ試行錯誤したのですが、結局この結論にたどり着いたのでした。

江頭 靖幸

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