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人間は一人当たりどのくらいの二酸化炭素を排出しているか? 「ロウソクの科学より」 (江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「人間は一人当たりどのくらいの二酸化炭素を排出しているか?」については人間一人当たりの消費カロリーから(その1)、人間の呼吸速度から(その2)と複数の方法で求めまています。おっと、排出量と言っても化石燃料起源ではなく、生物としての人間が呼吸によって発生している二酸化炭素の量のことです。で、その値は年間 0.27 ~ 0.33 トンでした。

 さて、前回の記事で紹介した(写真の)マイケル ファラデーの著書「ロウソクの科学」に以下のような記述を見つけました。

ひとりのおとなは二十四時間に、七オンス(一オンス=約二八・三五グラム)だけの炭素を二酸化炭素に変えます。(角川文庫版 「ロウソクの科学」三石巌訳 186ページ)

明示されてはいませんが、これはおそらく呼吸速度から計算したものでしょう。

ということで、この情報を元に「人間は一人当たりどのくらいの二酸化炭素を排出しているか?」を計算してみましょう。

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 1オンスが28.35gだという情報が与えられていますから7オンスは約200gとなります。これは炭素の重量ですから二酸化炭素に換算すると約730g。これは1日24時間当たりの排出量ですから1年では約 0.27トンとなります。

 この数値は以前に人間の呼吸速度から計算した値(こちらの記事)と完全に一致しています。これは同じ前提で同じ結論に到達していることになります。もっとも「7オンス」という1桁の精度の数値から計算した値ですから2桁まで合う、というのは偶然の一致でしょう。

江頭 靖幸

 

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