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「実験日通知書」のこと バリアフリーな授業に向けて(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 2020年度後期の授業は新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために授業の実施方法にいろいろな工夫をしています。たとえば「対面ただし遠隔受講可」な授業はその代表例。でも学生実験となるとこれは対面一択、となるのですがそれでも三密を防ぐために通常通りの運営は難しい。そこで例年は週1日全員参加で行っている学生実験を、週二回に分けて一回ごとに半数の学生が実験をする、というスタイルで実施することとなりました。

 私も参加している1年生後期の学生実験「工学基礎実験Ⅱ(C)」の実験では例年、全体を四つのグループに分けて四テーマの実験を交代で行う、という実施方法をとっています。今年は実験日が週2回、月曜日と金曜日になったので一日に二テーマずつ二つのグループが実験すれば良い。と、ここまでは簡単なのですが、さて実験テーマと実験の曜日はどのように配置しようか。非常勤講師の先生たちにも実験の担当をお願いしているので勝手に曜日を動かすことはできません。そこで月曜日はこの実験テーマ、金曜日はこれ、と決める必要があります。そうなると学生は月曜日に実験をする週と金曜日にする週とが人によってバラバラになる、ということになります。

 いくら何でもこれは複雑すぎるのでは...。ということになって考えたのが「実験日通知書」です。これは各週の月曜日と金曜日に実験がある・ない、実験するテーマはどれ、という情報を一覧表としてまとめたもの。学生ごとに実験日はばらばらなので(実際には数パターンのうちどれかなのですが)、この「実験日通知書」も学生1人1人のその人専用のものを作って配布しています(といっても学修支援システムの moodle にまとめてアップロードしているので紙を配るわけではありませんが)。

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 「実験日通知書」のおかげでしょうか、かなり複雑な日程ですが今のところ実験日を間違えた、という学生さんは1人もいません。いや、正確には実験日を間違えて実験に出席できなかった学生さんがいないだけですね。間違えて実験のない日に来てしまった学生さんはいるのかも知れません。

 さてこの「実験日通知書」は例年なら思いつかない仕組みです。ややもすれば過保護とも思えるのですが、これで学生実験の機会を失う学生が1人でも減るなら良いことなのでは。実験するまでの過程の「バリアフリー」化とでも言うのでしょうか。「バリア」は実験そのものにも充分すぎるほど有るのですから、それ以外の部分はなるべくスムーズに進める様に環境を整えてあげるのが良いと思います。

 「そのぐらい自分で管理できなくてどうする。甘やかしは良くない。」という意見が聞こえてくるような気もしますが、さてどうでしょう?この手の管理は将来的にどんどん簡単になってゆくタイプの作業であって、やるべきことは他にもたくさん有ると思います。

 えっ、1人1人の「実験日通知書」をどうやって作っているのかって?1人1人の顔を思い浮かべながら心を込めて夜なべして...、なわけはなくて MS-Word の「差し込み印刷」の機能を使って一括で作っています。年賀状の宛名を印刷するときに使う機能ですね。

江頭 靖幸

 

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