パネルディスカッション「理想的な工学教育の在り方を考える」を開催しました(江頭教授)
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我々応用化学科は工学部に属していますが、本学の工学部は機械工学、電気電子工学、そして応用化学の3学科体制となっています。授業も大部分は学科単位で行いますが、一部の授業は工学部共通で行われるなど一体で運用されている部分もあります。
ということでFD活動(Faculty Development、教育方法についての能力向上を目指した活動)にも学部単位のものがあります。今回ご紹介する
東京工科大学工学部 パネルディスカッション「理想的な工学教育の在り方を考える ニューノーマル対応型教育メソッドの確立を目指して」
もその一つです。
今年2020年は新型コロナウイルスの感染拡大への対応で大学教育は大きな影響を受けることとなりました。まずは一般には可能性として議論されるだけだった遠隔授業が図らずも大々的に導入されたこと。前期の後半から夏休みを挟んで後期にかけて、対面の授業を一部再開することとなりましたが、決してもとと同じ授業風景が帰ってきたわけではありません。変化の中には悪いものもあれば良いものもある。我々は良いものを伸ばし悪いものを解決することで新しい教育メソッドを作って行かなければなりません。そんな思いから工学部教員全員参加のパネルディスカッションが企画されたのです。
さて、パネルディスカッションは前期のオンライン授業の振り返り、成績データや学生アンケートに基づいた分析からスタート。そして講義、演習、実習、実験についての事例報告や提案について全部で7件の報告が行われました。
前期の授業、後期の授業を取り混ぜていろいろな新しい試み、以前から行っていた試みが役だったこと、これから試してみたいアイデアなど多数の報告がありましたが、全体として浮かび上がってくるのは「オンライン授業(ハイブリッド授業)では出席率が向上する」というメリットと「成績の二分化が起こる」というデメリットの2点であったと思います。
教員の目の行き届かない場所で如何にモチベーションを保つのか、これは本来は学生ひとりひとりの自主性の問題でしょう。学生個々人の自主性の有無が極端に成績に反映される、それが故の二分化ではないのか。もしそうなら教員がオンライン上でいちいち指示や監視を行うのでは問題の本質を解決したことにはなりません。より本質的に学生の自主性をどう育てるのか、という課題なのだと思います。とはいえ「自主的に行動しなさい」「はい、分かりました」では自主性とは真反対のことをやっているような。コロナウイルス云々以前からの難問と地続きなのではないか。
以上は私の意見ですが、他の先生方も各自いろいろな感想や気づきを得て明日からの授業に意識を新たにして取り組む機会となったと思います。
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