年賀状と名簿と個人情報保護法の話(江頭教授)
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前回の記事にも書きましたが私はやはり年末には年賀状を出す派です。ネットで少し調べると年賀状の枚数(年賀葉書の発売枚数ですが、まあ大差は無いでしょう)は2003年がピークで40億枚を超えていたそうですが、その後減少を続けて昨年(今年?)は半分以下、20億枚を切っているそうです。1人あたり約20枚ということでしょうか。私はそれ以上出していますから、やはり年賀状を出す派、ということで良いでしょう。
とはいえ、年賀状を出す先を見てみると同級生や昔の職場関係の人などが中心で年賀状の数としては減りも増えもしていない感じ。最近知り合いになった人はやはり少ないですね。何しろ、年賀状を送ろうにも住所が分からない。職場に送ることはできますが、それだと仕事始めにしか届かない。なんか年賀状は自宅に送るのが正しいような気がします。そんなこんなで年賀状の送り先は固定されていて、新しい送り先が増えないのです。
新しい送り先が増えないのは分かるが、ならなんで昔からの送り先はたくさんあるのか。若い人の中にはそう思うひとも多いかとおもいます。昔は「名簿」があったからですよね。
昔が学校や職場で名簿を作っていました。いや、今でも作られているのですが、昔の名簿には自宅の電話番号や住所まで書いてあったのですね。年末になるとこの名簿で住所を調べて職場の人たちに年賀状を送る、というのが普通でした。それによって年賀状のやり取りをはじめると転職やそれに伴う引っ越しの連絡なども来るようになるのです。
今の職場の名簿には自宅の住所は書いていないのではないでしょうか。これは個人情報保護法の成立が原因、とまでは言い切れませんが個人情報保護法が議論されるようになった世の中の雰囲気、というかプライバシーに関する意識の変化が反映されているのだと思います。職場の人たちに住所まで知られたくない、あるいは職場の付き合いは原則的には家庭にまで持ち込まない、という考えがより一般的になったのでしょう。その変化を受けた個人情報保護法の成立は2003年。年賀状のピークと一致しています。
年賀状派の私としては少し味気ない気もします。年賀状なしで、今現在直接のやり取りのない人たちの消息をどうやって知れば良いんだろう。あっ、Facebookでもやれ、ってことでしょうか。
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