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2021年1月

2021.01.29

オンラインで卒論提出、やってみた!(2020年度)(江頭教授)

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 おっとこのタイトル、卒論提出じゃなくて提出卒論の回収をやってみた!ですね。(私が卒論を出すわけじゃないし。)というわけで、昨日のこのブログの記事で紹介したとおり、1月28日は本学応用化学科の卒業論文提出日でした。今年度は新型コロナウイルス感染症対策ということで卒論提出もオンライン化したので、今回はその感想を、ということです。

 さて、卒論提出のオンライン化の実際のやり方を少し紹介しましょう。基本は moodle の課題提出の機能を利用しました。学生さんからみると卒業論文とその概要を1ページにまとめた資料をPDFにしてアップロードするのが最初の作業。しばらくすると moodle 上で提出課題に対して100点の評価が入る。これで提出完了。もし問題がある場合は別途連絡が入り課題が再提出受け入れの状態になる、という流れになっています。

 では教員側の作業は、というと学生さんが課題を提出すると担当の教員にメールが届くことになっています。(とは言っても論文提出期間は限られているので、moodle の提出課題リストのページに張り付いていますが。)そして、提出されたPDFファイルの中身を確認して問題がなければ100点の評価をつけます。本当の意味での内容確認は副査の先生の仕事ですから、ここでの確認内容は形式的なものです。例年はフォルダーに綴じた紙の論文を提出していたので形式的なチェックでもひっかることが間々あったのですが、今回PDFになったことでほとんどの卒論は問題なく受け入れることができました。

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2021.01.28

卒業論文提出日(2020年度)(江頭教授)

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 応用化学科の四年生はこの春卒業の予定。いま卒業研究の仕上げにかかっていますが、今日と明日(28日,29日)は卒業論文の提出日となっています。

 卒業論文の提出というのは大学の中では結構なビッグイベントです。提出しなければほぼ自動的に留年決定なのですから、普通のレポートの様に期日までにポストに入れる、という訳にはいきません。場所と時間を決めて担当の教員に提出することになります。内容をチェックして規定を満たさないものは却下。受け取ってもらえた場合は「受領証」に判をもらいます。この受領証は卒論を提出した大切な証拠書類ですから、卒業証書をもらうまで大切に保管することになります。

 と、ここまでは実は去年までの対応です。今年から卒業論文の提出はオンラインで行うことになったのです。

 昨年まで、提出する論文は本編とそのコピー2部。全部で3部を提出していました。印刷する時間もそれなりに必要ですし、紙の量も結構なもの。それが今年からはPDFで対応できるのですからありがたいですね。

 さて、応用化学科の提出日は本来本日(28日)なのですが、明日は一応の予備日。何かの事情で提出できなかった人向けの時間です。この場合は理由書を作成、指導教官が確認して押印することが必要条件、となっていてここだけオンライン対応していません。まあ、例年ほとんど利用されることのない制度なので、その辺はあまり気にすることもないでしょう。

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2021.01.27

地産地消VSグローバリズム ― 工業製品 ― (江頭教授)

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 地産地消とグローバリズムの比較、前々回はエネルギー、前回は食料ときて今回は工業製品について考えて見たいと思います。工業製品と言ってもいろいろあるのですが...。まあ、それはそれとして、まずは一般論から始めましょう。

 工学の究極的な目的は工業製品の製造プロセスを再現可能にすること、という言い方もできると思います。勘や経験、理由不明の伝統に縛られずに再現可能な科学的なやりかたで工業製品を製造することができること。科学的な製造業という考えは今でこそ当たり前に思われていますが、工業の成立時から自明であったわけではないでしょう。実際の所「最新の工場はアメリカでは成り立たない」とイギリス人は言ったでしょうし、「最新の工場は日本ではなりたたない」とアメリカ人は言い、そして「最新の工場は中国では成り立たない」と日本人も言ってきたのです。でも現実は皆さんご存じの通り。先達からの適切な指導と自身の意欲があれば工業生産の製造プロセスを国をまたいで移植することが可能であることは現在では明らかになっています。

 と、言うことで日本も「日本で必要な製品は日本で造るんだ」という立場をとる。世界の国々も同じように決意して工業製品が地産地消に限られる世界も実現できそうなものですが、そうはなっていないようです。

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2021.01.26

地産地消VSグローバリズム ― 食料 ― (江頭教授)

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 前回の記事では「地産地消VSグローバリズム」としてエネルギーについて考えてみました。今回は食料について。エネルギーの地産地消というのはしっくりこない言い回しかも知れません。でも食料についてなら地産地消という表現は実にぴったりきますね。

 さて、日本は食料自給率が低い国であると言われています。農林水産省の「食糧自給率とは」というページでは「カロリーベース総合食料自給率」として 38% 「生産額ベース総合食料自給率」66% そして「食料国産率」としてカロリーベース 47%、生産額ベース 69% という数値が掲載されています。それぞれの数値の定義は引用元を参照していただくとして、大雑把に日本は3分の1から2の食料を海外に依存してる状態であることが分かります。

 やはり日本は食料についても地産地消の難しい国だ、といえるでしょうか。とはいえエネルギーの場合と比較すると遙かにましな状況だという見方もできます。何しろエネルギーの自給率は全体の10分の1程度なのですからね。

 前回、地産地消かグローバリズムか、の選択は安全性と効率性の兼ね合いだ、という言い方をしました。その流れでなら日本は食料についても効率重視の国だが、それでもエネルギーほどではない、といったところでしょうか。

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2021.01.25

地産地消VSグローバリズム ― エネルギー ― (江頭教授)

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 まず一点確認しておきましょう。現在日本で生活している以上、すべてを地産地消で、というのは夢のまた夢。私たちの生活の基礎は完全にグローバリズムの恩恵の上に築かれているといって良いでしょう。何しろ日本はエネルギー自給率が極めて低い国。最新のエネルギー白書(2020年度版版)に示された2018年のエネルギー自給率は11.8%にすぎません。エネルギーはすべての活動の基礎になるものですから、私たちの現在の生活は地産地消では成り立ちません。

 と、いうわけでここでは遠い未来、あるいは近い将来においてエネルギーの地産地消(あるいは自給自足)を達成できるのか、そして自給自足を達成するべきなのか、を考えてみたいと思います。

 まず、日本は石油や天然ガスの資源の乏しい国です。石炭は採れますがそれだけで充分なエネルギー供給量を確保するのは難しい。ということで、再生可能エネルギーに期待したいところですが、再生可能エネルギーという観点でも日本の国はそんなに恵まれているとは言えません。日照はそれほど強くなく、複雑な地形は風力発電にも向いていない。それでも広い領海を有効に利用すれば洋上風力発電によってエネルギーを賄うことは可能だと考えれらえています。こちらの記事では

洋上風力発電の未来は「確定した未来」ではありませんが「約束された未来」ではある

と書きましたが適切な技術開発と投資が行われれば、それでも日本というレベルでのエネルギーの自給自足、地産地消は可能なのだ、と考えられています。

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2021.01.22

今日から期末試験(江頭教授)

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 本日2020年1月22日から後期試験がスタートします。これから一週間と1日、1月29日の金曜日までが試験期間となります。最後の授業が終了したのは今週の月曜日、1月18日でしたから、少し勉強するために間を置いたスタートということなのでしょうか。

 実はこのスケジュール、本来は2月2日まで実施、2月3日は予備日と設定されていました。でも実際は一週間と1日ですべての試験が終了できる、ということになったのですね。これは例年に比べて期末試験を実施する授業が比較的少ないためです。授業中の課題などで採点し遠隔だけで完結する授業が前期に引き続いてそれなりの数ある、ということです。とはいえ、本学科で行っている「対面ただし遠隔可」の授業ではほとんどが対面での試験を行いますので応用化学科の学生諸君は例年通りに試験を受けることになっています。

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2021.01.21

デマを拡散しないように- 24 追補:経皮接触感染の可能性についての論文紹介

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献を読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

 この年末年始のお休み期間、片桐は論文をあさりまくり勉強していました。そして見つけました!。「汗腺からの感染」を示唆する論文がありました。

Liu et al. Cell Discovery (2020) 6, 84 “Infection of human sweat glands by SARS-CoV-2”

Nature系の論文です。この論文はopen accessなので,誰でも入手できます。

https://www.nature.com/articles/s41421-020-00229-y
のサイトから入手できます。

 論文の形式はCorrespondanceという「仮説」です。しかし、この論文では感染者の汗腺細胞からコロナウイルスや、SARS-CoV-2の感染に必要なACE2酵素、そして、感染成立に必要なTMPRSSというプロテアーゼも見つけています。

 汗腺からの「経皮接触感染」という感染経路は、インフルエンザでは知られていません。そのため、これまでのインフルエンザ対策に準拠した新型コロナ来策には、この経路に対する対策は含まれていません。

 一連のブログ記事で先に述べたように、この経皮接触感染は、私らの天候と感染者数の増減トレンドの関係から推測した経路です。

 そして,7割を占める「感染経路不明」を説明できます。現在、感染者との濃厚接触の無い方の感染が、東京都では新規感染者の7割を占めています。この経皮接触感染の場合、数時間から数日間の時間軸を越えて感染が伝播するため、その感染経路が不明になります。

 また、無症状感染もこのような経皮接触感染で説明できるかもしれません。気道感染の場合、喉の痛みや風邪のような症状、さらに肺炎に進むために、「症状」を自覚し易いでしょう。しかし、経皮接触感染の場合、血管に感染し血管の炎症を起こすと思われます。その場合、呼吸器系の症状はよっぽど悪化するまでは出にくいと思います。血管の炎症は「糖尿病」をイメージすると良いでしょう。糖尿病では血液中の過剰の糖で酸素が還元され活性酸素ができて血管に炎症を起こします。それにより酸化老化が起こるので、糖尿病は血管病とも言われます。しかし、糖尿病もその初期において自覚症状が出にくい病気です。COVID-19ではウイルスに対する細胞性免疫の作用=活性酸素による感染細胞への攻撃により、血管が酸化老化します。無症状感染者の「後遺症」として、疲労倦怠感がありますが、これも糖尿病の症状と同じです。

 いずれにせよ、新型コロナ感染症=COVID-19はただの風邪ではありません。風邪様の症状はその一面でしかないと思われます。この病気を見くびること無く、最大限に防御し、逃げ延び、生き残りましょう。

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片桐 利真

 

2021.01.20

デマを拡散しないように- 23 マスクや自粛は感染拡大防止に効果があるのか?。

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献を読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

 ここまでの連載を読まれた方は、マスクや自粛は感染拡大防止に効果があるのかについて、疑問をもたれたかもしれません。手指からの接触経皮感染があるのなら、飛沫の吸入予防に意味があるのか?と疑問をもたれるかもしれません。

 結論からいえば、効果はあります。

 第1波がはじまり、1都7県の非常事態宣言が出るまでの時期の散布図は、日照時間が長かったにもかかわらず、感染が拡大している様子が見て取れます。

 これは、マスクや個人個人の自粛が感染拡大を抑えることを示しています。

 今回の相関は、そのような自粛やマスクにより飛沫感染が抑えられて、初めて見えてきた関係です。

 我々はこのCOVID-19という病にも、SARS-CoV-2というウイルスについてもあまりに無知です。これらの敵を駆逐するには敵をよく知ることが必須です。我々人類とコロナとの戦いはまだはじまったばかりです。
 あきらめずに闘い続けましょう、あきらめたらそこで試合終了です。

 今回の連載が、あなたの感染予防のお役に立てば、幸甚です。

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有機分子設計学研究室のマスコットのフッ素君です。コロナ君ではありません。

 

片桐 利真

 

2021.01.19

今学期の授業は昨日(1月18日)で終了しました。(江頭教授)

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 お正月休みが終わって二週間になりました。実は今学期の授業は昨日(1月18日)で終了です。

 本当は新年に入って最初の1週間(1月5日~)で火、水、木曜日の授業は終了していたのです。でも月曜日の金曜日の授業は残っていました。(休日の都合で月曜日や金曜日の授業は潰れやすいのです。)新年二週目の最初の月曜日が休日だったため金曜日の授業はともかく、月曜日の授業は三週目の昨日にまで延び延びになった、というわけですね。

 二週目の月曜日も「休日登校日」にしてしまえば早く終われたのですが、その日は「成人の日」。学生諸君の中にはまさに主役の新成人たちも多いのですから、さすがにこの日はお休みに。ということで昨日まで授業が長引いた、ということですね。

 その今週の金曜日には早くも試験期間がスタート。予備日まで含めると冬学期の授業期間の本当の終わりは1月29日です。

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2021.01.18

「コーオプ演習Ⅰ最終発表会」を実施しました(江頭教授)

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 本学工学部の特徴の一つ、コーオプ教育。その最初の授業と位置づけられるのが1年生後期の授業「コーオプ演習Ⅰ」です。授業内容は最新の工学・技術的トピックスについて調査し、発表すること。グループワークを中心とした授業で、賛否のわかれる技術上の課題やサステイナブル社会に関連する新技術などを対象として調査を行い、調査結果に基づいたディスカッションの内容を発表します。

 先週の金曜日、1月15日にこの「コーオプ演習Ⅰ」の最終発表会が開催されました。

 実はさらに1週間前にはこの最終発表会前の予選が行われました。その際、学生諸君にも話したのですが、今回の発表、というか1年生での発表はある意味特別な発表と言えるかも知れない、そんな事を感じました。なぜなら、学生諸君はまさに工学の勉強を進めている最中で、やがて社会の問題に対しても工学の関わるもの、という立場から発言することになるでしょう。でも、この発表をした1年生の時点では、まだまだ立場の定まらない、ある意味で世の中一般の人、という立場にあるのです。彼らが数年後に自分の発表を見返したとき、それはどのように見えるのでしょうか?楽しみだ、というのは少し意地悪かもしれません。

 さて、以下の図は決勝戦に進出した各班のスライドの1枚目のタイトルです。いろいろなトピックがありましたが、短い時間の中でどれもよく調べていたと感じました。特に私がコメントした予選会場にいた班の人たちの中には予選から発表の間にプレゼンに手を入れてくれた班もありました。

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2021.01.15

デマを拡散しないように- 22 片桐の勝手な推測と憶測 (片桐教授)

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献を読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

 さて、湿度や日照時間の影響を受ける「まだ未解明のインフルエンザとは異なる感染経路」はいったいどのようなものでしょうか?。わたしは、これは「接触・経皮感染」だと思います。

 今のインフルエンザの感染予防の概念で言えば、接触感染は,ウイルスで汚染された手指で目や口や鼻の粘膜を触ることにより起こります。あえて言えば「粘膜感染」です。インフルエンザウイルスは,喉や鼻の細胞に存在する「細胞接着因子」としか結合できないので、少なくとも最初の感染は喉になります。しかし、新型コロナウイルスの細胞接着因子はACE2というアンジオテンシン合成酵素だと言われています。これは,喉や肺だけではなく、全身の血管の内皮細胞に存在します。つまり、新型コロナウイルスは、チャンスがあれば全身のどこへでも感染できる可能性があるということです。
 例えば、手指の傷は粘膜と同じでウイルスがそこに入れば毛細血管へアクセスできます。さらに、新型コロナウイルスは腎臓にも感染するそうです。皮膚の汗腺は腎臓と同じ機能を持ちます。だから、皮膚の汗腺からの感染の可能性も否めません。

 ウイルスを含む飛沫が机などに付着し、その付着飛沫に手指などの皮膚が触れることによる接触経皮感染は防ぎにくいものです。おそろしいものです。

 今回の「短い日照時間,または高い湿度は新型コロナ感染を招くかもしれない」という結果は, これまでの冬場の風邪の感染予防の常識にいささか反します。これまでは風邪を予防するために,部屋の加湿を推奨してきました。確かに加湿すれば, 空中の飛沫は水分を得て重くなり遠くまで飛散しにくくなります。また, ヒトの気道の細胞は乾燥によるダメージを受けにくくなり, ウイルスを排除する気道表面細胞の活動も活発になります。しかしその一方で, 加湿は空気中に飛散したアエロゾルや飛沫の乾燥を防ぎ, ウイルスの感染活性を持続させます。また, 加湿により重くなったウイルスを含む飛沫は落ちて比較的低温の机上や什器に付着してしまいます。さらに,加湿はその付着したウイルス飛沫の乾燥を防ぐため, ウイルスの長期生存を許容し,付着飛沫による接触感染の可能性を高めるおそれがあります。加湿は人に優しく、ウイルスにも優しいということですね。

 インフルエンザの予防との類似性から,新型コロナ感染拡大防止対策については, 飛沫感染やアエロゾル感染などの空中感染の危険の議論が先行し, 主に飛沫感染対策ばかりが提案されています。しかし、新型コロナ感染症はインフルエンザとは異なる感染症です。机などの表面に付着した落下飛沫内のウイルスの感染活性は,乾燥しにくいために浮遊飛沫よりも長く保たれます。その付着飛沫を触りその手指で目や鼻や口を触ることによる接触感染経路は「感染経路不明」の事例になりえます。感染経路不明の新規感染者が6割を越える現状[15]では, 接触感染対策を積極的に考慮すべきです。

 多人数の集まる職場環境や不特定多数の訪問を受ける環境では,屋内の加湿よりも,頻繁な換気による浮遊飛沫や付着飛沫の乾燥と,こまめな机面や什器等の消毒を行なうべきです。飛沫の乾燥へは相対湿度や温度だけでなく,気流速度(風速)も影響します[16]。洗濯物を乾かすためには扇風機で風を当てることが有効です。

 そして、換気をしましょう。特に洗濯物の乾きにくい冬場は,浮遊飛沫や付着飛沫の乾燥のため,積極的に換気するべきです。同時にマスクにより個人の口腔鼻腔内の湿度保持による気道の保護をしましょう。

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参考文献

[15] 日本経済新聞2020.8.2 記事 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62206530S0A800C2NN1000

[16] 桐栄良三,化学工学,1961, 15, 690.

2021.01.14

デマを拡散しないように- 21 日照時間,湿度と感染拡大・収束の関係の教えてくれること(片桐教授)

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献を読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

今回は前回の解析結果の考察です。
 前回お示しした結果は日照時間7時間以下あるいは平均湿度55~60%以上の場合では新型コロナウイルス感染者は増加する傾向にあり, 日照時間7時間以上あるいは平均湿度55~60%以下の場合では感染者は減少する傾向にあることを示します。
 この相関より, 新型コロナウイルス感染者の増加傾向や減少傾向は日照時間や湿度と関係することを示しました。これは化学的な根拠による筆者の作業仮説と矛盾しません。しかし, 日照時間と正の相関を持つ紫外線の効果をこの結果から排除できません。

 気象庁のUVインデックス[14]には東京の値は公開されていません。しかし, 筑波の値はまとめられています。これを見ると, 5月の第1波の新規新型コロナウイルス感染者数の減少期と7月の第2波新規感染者の増加期の紫外線量はあまり変わりません。さらに経路の判明している感染は主に屋内(家庭内, 夜の繁華街, 職場, 会食,等)で起こっていると報じられています[15]。 このような屋内での感染への日照紫外線の影響は考えにくいものです。したがって, 紫外線の積極的な影響の可能性は低いと思われます。
 一方で,今回の日照時間,あるいは湿度,を係数とするこの(疑似)相関関係において,まだ明らかになっていない潜伏変数の存在を否定できません。

 そして、最初に述べた、「まだ未解明のインフルエンザとは異なる感染経路」は、このような湿度や日照時間の影響を受けると考えられます。

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参考文献

[14] 気象庁 過去の気象データhttps://www.data.jma.go.jp/gmd /env/uvhp/link_daily_uvindex_monthly_obs.html

2021.01.13

デマを拡散しないように- 20 日照時間,湿度と感染拡大・収束の関係 (片桐教授)

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献を読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

以下のような検討を行ないました。
データ処理・分析方法
 東京都の日々の新規感染者数(an : nは3月1日からの日付)はその前14日間の移動平均値(An = average(an−14〜an))の形で使用しました14日間移動平均(2週間)に設定した理由は, (1) 東京都の新規感染者数は曜日ごとに異なるため週間単位(7日間単位)にする必要があること.(2) 発症から検査結果が記録されるまでの数日間の遅延と, (3) まだ明らかになっていないウイルスの潜伏期間(2日〜7日程度と考えられている)の影響を抑えるためです。この設定により, (4)日照時間(cn)の14日移動平均値(Cn = average(cn-14〜cn))および一日の平均湿度(dn)の14日移動平均値(Dn = average(dn-14〜dn))との重なりを7〜10日程度確保できます。
 感染者数の増減傾向指標(Bn)は,上記の14日移動平均値の2日間インターバルの差分を感染者数の14日移動平均値で割ったもの(Bn = (An−2 – An) / An)としました。これにより, 感染者の母集団の大きさの影響を排除し, 感染の増減傾向を抽出しました。

 図1に3月1日(n = 1)から11月30日(n = 285)までの東京都の14日移動平均(An), 2日インターバルの感染者増減の差分値(Bn), 東京の日照時間の14日移動平均(Cn), 東京の平均湿度の14日移動平均(Dn), をそれぞれ示します。

図1 From March 1 (n = 1) to November 11 (n = 285:
(A) 14 days moving average of newly infected persons announced by the Tokyo Metropolitan Government (An)

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(B)A COVID-19 spread index (Bn) : Bn = (An-2 – An) / An

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(C) 14 days moving average of sunshine hours (Cn).

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(D) 14 days moving average of daily average humidity (Dn).

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第2波における感染者数の増減と日照時間の相関
 緊急事態宣言(4月7日)の後の感染防止のための自粛の行なわれていた第2波期間(6月17日(n = 119)〜9月10日(n = 204)の日照時間(横軸: 図1 Cn)と感染者増減(縦軸: 図1Bn)の散布図を図2に示します。

図2 Correlation of index Bn and 14 days moving average sunshine hours Cn.

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この散布図は強い負の相関(R = −0.74)を示しました。新規感染者の増減均衡点は1日の平均日照時間おおよそ7時間でした。このような日照時間と感染者数の増減の関係は, 非常事態宣言による都民の自粛行動によりヒューマン・ファクターが抑えられ,それにより顕著になったと思われます。

4.3 第2波における感染者数の増減と平均湿度の相関
 図3は第2波時(6月17日(n = 119)〜9月10日(n = 204)の気象庁の発表した一日の平均湿度(横軸: Dn)と感染者増減(縦軸: Bn)の間の相関です。

図3  Correlation of index Bn and 14 days moving average humidity Dn.

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この散布図は正の相関(R = 0.75)を示しました。ただし, 湿度は一日の中で大きく変化し, その変化の巾も大きな値です。また屋外と屋内では大きく異なる値ですので,そのためその数値としての信頼性は日照時間よりも低いと思われます。

 この湿度や日照時間と感染の拡大・収束傾向の強い相関はいろいろなことを我々に教えてくれます。

 

片桐 利真

2021.01.12

デマを拡散しないように- 19 新型コロナウイルスの構造からの推察(片桐教授)

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(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

 疫学的にはウイルスの感染拡大は冬場の低温低湿で起こるとされる一方で, 化学的な視点ではウイルスは低湿条件での乾燥に弱いと予想されます。つまり、化学的に見れば、これまでの「風邪の予防のためには、加湿して部屋の湿度を挙げることが大事である」という考えが必ずしも正しくないということです。

 コロナウイルスやインフルエンザウイルスは「エンベロープ・ウイルス」と呼ばれています。これらのウイルスは遺伝情報のRNAがカプシドというタンパク質のカプセルに包まれ, さらにその外側がエンベロープと呼ばれる親水性基を表面に配した脂質二重膜で覆われています[10]。

 2002~2003年に流行したSARSコロナウイルスの感染はスパイク蛋白=細胞接着因子がヒト細胞表面のACE2酵素と結びつくことにより開始すると考えられています[11]。 続いて, ヒト細胞のプロテアーゼの働きにより、ウイルスはエンベロープをヒト細胞膜と融合させて, 細胞内にRNAを送り込み, 感染を完了するとされています[10]。したがって, ウイルスのエンベロープを破壊すればそのウイルスは感染性を失います。アルコールやセッケンによる消毒はこのエンベロープを破壊すると理解されています。.
 新型コロナウイルスのエンベロープの化学的な構造[12] は、ウイルスは飛沫などの水中では安定であることを示します。一方で乾燥すると,このベシクル構造は内部エネルギー的に不利になり不安定化し, エンベロープは破壊されます。したがって, 新型コロナウイルスを含む飛沫の乾燥により, 内包するウイルスはその感染能力を失います。そのため新型コロナウイルスは, 飛沫核感染=空気感染は起こさないと考えられています。
 以上のように, 新型コロナウイルスはヒト気道表面の細胞と同様の理由で乾燥に弱いと考えられます。冬場の乾燥はウイルスにも厳しいのですが、人間の呼吸器気道の細胞にも厳しく、そちらもダメージを受けるので、加湿が重要とこれまでは考えられています。
 しかし、実際には、乾燥した環境はウイルスも喉も痛めつけるということです。

 

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参考文献

[10] 水谷哲也, 新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識, 東京化学同人, 2020.
[11] 松 山 州 徳,ウイルス 2011, 61 109-116.
[12] 日本化学会編, コロイド科学I, III, IV, 東京化学同人, 1996.

 

江頭 靖幸

 

2021.01.11

修士(博士課程前期)中間審査会が開催されました(江頭教授)

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 1月9日に表題の「修士(博士課程前期)中間審査会」が開催されました。1月9日は土曜日ですが日曜日以外の他の曜日は授業が詰まっているので仕方がありません。土曜日の13:00から15:00までの実施となりました。

 これは学部ではなく大学院の行事となります。我々応用化学科は組織としては大学の組織で、工学部に所属しています。大学院ではサステイナブル工学専攻であり工学研究科の一部という位置づけ。このサステイナブル工学専攻には機械工学科と電気電子工学科とも一緒になるので発表の内容もバラエティに富んだものになります。審査会の予稿も化学にかぎらず機械、電気電子の発表も含まれています。

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2021.01.08

デマを拡散しないように- 18 冬にインフルエンザの流行する理由はまだ明らかではない(片桐教授)

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(以下の記事はこちらの記事からの続きです。)

 コロナウイルスやインフルエンザウイルスは季節性の風邪の原因になっています。今回、医療保険学部の先生のご指導のもと、この問題に取り組むにあたり文献調査を行いました。しかし、これらのウイルスによる風邪がなぜ冬にはやるのかは, いろいろな仮説が提案されているものの、まだ完全に解明されてはいないようです。これまでに,多くの仮説が提唱されています。

 疫学的な分析から,高温・高湿・紫外線によりCOVID-19は抑制されるという報告[5]や、アエロゾル中のSARS-CoV-2の感染性は湿度よりも日光と温度に影響されるという報告があります[6]。また、インフルエンザウイルスの飛沫やアエロゾルの感染性について,湿度はあまり関係しないという報告があり[7] 一方で,高湿度はインフルエンザの生存や感染を不活性化し[8]. さらに,100%に近いあるいは <50%の湿度でA型インフルエンザの生存率が高いと報告されています[9]。以上のように,インフルエンザや新型コロナ感染症の拡大と湿度の関係は,まだ明確ではありません。また, 本邦の常識では, 高温多湿の夏場にはウイルスは「弱り」低温低湿の冬場で猛威を振るうとされています。

 新型コロナウイルスは湿度に強いのでしょうか、弱いのでしょうか?。この問題に取り組むためには、先入観を捨てることが重要だと思います。新型コロナウイルス感染症は、インフルエンザとは異なる病気です。したがって、類似性から同じようなものであろうと考えると、本質を見誤るおそれがあります。

 また、同じ病気ではないのだから、同じ対策では感染拡大を防げない可能性があります。実際、ここまで徹底した「インフルエンザ対策」により、2020年12月のインフルエンザの感染拡大は例年の数百分の1に抑制されています[9’]。しかし、新型コロナ感染拡大は継続しています。これは、インフルエンザ対策は有効であろうけども、インフルエンザ対策だけでは不十分であることを示しています。次回以降で述べますが、このインフルエンザ対策は間違いなく飛沫感染拡大を抑えることに貢献しています。しかし、それだけでは新型コロナの感染経路を全て遮断することはできない。大きな見落としがあるのではないかというのが、わたしの意見です。

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定点観測に置ける、インフルエンザの累計患者数の推移[9’]。

参考文献

[5] C. Merow, M. C. Urban, PNAS 2020, (November 3), 117, 27456–27464.

[6] P. Dabish, et.al, Aerosol Sci. Tech. (Accepted Manuscript, Online): Nov. 2020 https://doi.org/10.1080/02786826.2020.1829536

[7] K. Kormuth, J. Infect. Disease, 2018, 218, 739.

[8] J. Shamann, M. Kohn, PNAS, March 2009, 106, 3243.

[9] L. C. Marr, et.al, PLOS ONE, Oct. 2012, 7, e46789.

[9’] 例えば厚生労働省 インフルエンザに関する報道発表資料https://www.mhlw.go.jp/content/000706760.pdf

 

片桐 利真

2021.01.07

「サステイナブル工学プロジェクト演習」最終報告会本選(2020)(江頭教授)

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「サステイナブル工学プロジェクト演習」については本ブログでも何回かとりあげています。こちらこちら、そしてこちら 

 昨日、1月6日には半年、というか後期14回の授業の最終回として「最終報告会」の本選が開催されました。本選、とあるのは先週予選を行い選抜された班による発表会であること(これは本選の本の部分)と、今回の選ばれた班が学部長賞で表彰されること(これが本選の選の部分)によります。

 「サステイナブル工学プロジェクト演習」は本学工学部の3年生によるグループワーク形式の授業です。特徴としては3学科合同の授業であること。異なる学科の学生が集まってグループワークを行うことになっています。三学科合同で約300人、通常授業は二クラスに別れ、それぞれ27班、28班でのグループワークとなります。

 予選では全体で55班がグループワークの成果を7会場に分かれて発表し、その中から10班が今回の本選に進みました。

 発表の内容は工業製品やサービスのLCAによる評価と機能的、経済的価値を統合化した環境効率の算出です。さらに対象とした工業製品やサービスに対する改善提案を行い、その環境効率への影響を検討しました。LCA評価では環境ラベル「エコリーフ」に登録さている公開情報を利用して実際の製品に近い条件での評価をおこなっています。一方、改善提案については各班のメンバーが自分の学科のバックグラウンドを生かしつつ自由に発想しています。

 と、ここまでは例年通りの内容なのですが、今回2020年度の最終発表会はやはり新型コロナウイルス感染症の影響を受けています。最大の違いはやはりオンラインでの実施になった、ということです。

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2021.01.06

デマを拡散しないように- 17 梅雨と東京の新型コロナ感染拡大第2波の関係(片桐教授)

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 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献を読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

 この原稿を書いている2020年12月現在, 東京都は新型コロナウイルス感染(COVID-19)の第3波の中にあります。大晦日にはついに新規陽性者数が1300人を越えてしまいました。

 季節性の風邪の10~15%(流行期35%)は旧来のコロナウイルス(HCoV-229E, HCoV-OC43, HCoV-NL63, HCoV-HKU1)によるものであることから[1]、冬場の感染拡大(第3波)は経験則的に予想されていました [2,3]。 その一方で, 都民の厳格な自粛生活にもかかわらず, 同年8月をピークとした夏場の第2波の発生にかかわる要因は明確ではありません。この第2波発生の要因解明は, 来年以降の職場や家庭における新型コロナの感染拡大防止のための職場や家庭などのローカル環境での対策の立案に役立つと思われます。そこで、この解明を試みました。

 2020年4月7日の「緊急事態宣言」以来, 東京ではマスクをしていない人を市中に見かけなくなりました。鉄道会社の呼びかけもあり, 電車中でマスクをすることは当たり前のマナーになりました。ほとんど全てのショッピングセンターの入口にはアルコール消毒剤が備えられ, 多くの人は入退館時に手指を消毒しています。レストランやバーなどの飲食店は一斉に休業しあるいは営業時間を大幅に短縮し, 座席数を減らし, 座席間にビニルカーテンを引き, 感染拡大防止に努めています。

 このような感染拡大防止の個人の努力、自粛努力にもかかわらず, 5月に一旦ほぼ収束した第1波の後 6月中旬以降に東京都の新規感染者数は再度増えはじめ, 8月中旬に第2波のピークを迎えました。この第2波は9月に第2波ピーク時の半分程度まで収束したものの, 11月後半には第3波の感染拡大を迎えました。

 このように, 東京では第1波の後に第2波を経験しました。愛知県, 大阪府, 福岡県など本州の太平洋側の多くの都府県は, ほぼ同時期に第2波を経験しています。しかし, 東京とほぼ同時期に第1波を経験した北海道は第2波を経験していなません[4]。また,青森県や宮城県の第2波発生時期は東京より1か月以上遅い時期に第2波が来ました。すなわち, この第2波は全国一律の事象ではなく, 緯度に依存する比較的ローカルな要因に影響されていたことを示唆します。私はこれを梅雨の長雨とそれに伴う湿度の影響であるという作業仮説を立て検討してみました。

 下図はNHKの特設ページから持ってきた、新規感染者の発生状況の県別のグラフです。

第2波の日本各地での発生状況(NHK特設サイト「新型コロナウイルス」「都道府県ごとの新規感染者数の推移」https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-widget/より)

東京都

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愛知県

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大阪府

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福岡県

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北海道

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青森県

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宮城県

Fig7

 梅雨前線がほぼ同時期に停滞する東京、愛知、大阪、福岡はほぼ同時期に第2波が来ています。一方で梅雨の無い北海道では第2波は発生していません。また、梅雨前線が徐々に北上するために、梅雨が1〜2か月遅れる宮城、青森の第2波はやはり第2波も東京より1〜2か月遅れています。

参考文献

[1]国立感染研究所サイト:https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-2020-01-10-06-50-40/9303-coronavirus.html

[2] S. Mallapaty, nature, 2020, (Oct. 29), 586, 653.

[3] M. Yassine, H. Zaralet, et.al, Frontier. Public Health, Sept. 2020, 8, Article 567184.

[4] NHKWEB NEWS 特設サイト: https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-widget/#mokuji1

2021.01.05

新年の授業が始まります(江頭教授)

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 我々工学部応用化学科が所属する東京工科大学の八王子キャンパスは1月4日まで閉鎖、本日5日から活動を再開します。昨年は6日から授業が再開していたのですが、今年は一日早い授業再開です。

 実は1月4日までの期間、本学八王子キャンパスは年末年始休業期間となっていて防火・防犯体制が強化されています。お休み、という以前にキャンパスには原則立ち入り禁止となっています。卒業論文の追い込みで実験をしたい4年生諸君には申し訳ないのですが、ここは英気を養ってもらうところでしょうか。

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2021.01.04

牛とクジラの小噺(江頭教授)

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 今年の干支にちなんで牛の小噺を一つ。(えっ、牛じゃなくて丑だろうって、そこはご勘弁を。)

 さあ安いよ安いよ、皆さん買っておくんなさい。今日の目玉はこれ。この挽肉だ。挽肉と言ってもいつもの挽肉とはちと違う。豚肉、鶏肉、いやいや、今日のこれはなんと牛の挽肉だ。とはいえ高級品の牛だけって訳にはいかない、ってんで一対一の合い挽きなんだが、それでこのお値段だ。さあ、買った買った。

 おっ、牛でこの値段たあ驚いた。それで牛と何の肉の合い挽きなんだい。

 うー、うん。クジラ肉だよ。

 クジラかあ。でも半分牛肉ならやっぱり安いなあ。

 あっ、あー。一対一ってーのは牛一頭とクジラ一頭だけどな。

さて、この小噺、何というか時代に置いてきぼりにされた感が半端ないですね。今では一体どこがポイントなのか分からないのでは。

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2021.01.01

新年のご挨拶(2021)(江頭教授)

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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 本学、東京工科大学の工学部の一翼を担う応用化学科、その開設は2015年でした。それ以来5年と9ヶ月、2015年に入学した第一期生に続き昨年3月は第二期生が4年間の課程を終了して卒業しました。あるものは新社会人としての活躍を始めたことでしょう。そして、あるものは本学の修士課程の学生として勉学に励んでいるところです。

 また、一昨年の1999年に第一期生の卒業に合わせてスタートした本学の大学院のサステイナブル工学専攻も2年目に入りました。今年の3月には修士の、正確には大学院博士課程(前期)の学生が卒業する予定であり、それぞれに就職あるいは博士課程(後期)への進学を予定しています。

 2020年、世界中どこの誰もがそうであった様に我々も新型コロナウイルス感染症の拡大による大きな影響を受けました。第二期生の卒業式は略式の開催とせざるを得ず、2020年の新入生は大学で入学式を行うこともできませんでした。4月から始まる予定だった前期前半はキャンパスを閉鎖せざるを得ませんでした。その後、感染第1波のピークが過ぎるにつれて順次大学の活動は再開されましたが、それでも例年と比べれば不自由さを感じないではいられません。

 とはいえ、この未曾有の事態を乗り越えるために応用化学科の、いえ本学全体の学生諸君と大学の教職員の全員が通常に倍する努力と柔軟性を発揮して対応してきたことを私は実感しています。

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