« 「研究室配属に関する説明会」を開催しました。(江頭教授) | トップページ | 地産地消VSグローバリズム ― 人材 ― (江頭教授) »

「風邪をひいたら仕事を休む」のは常識か(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 年末からお正月にかけて、テレビ放送はいつもと違う特別な番組編成でした。そこで放送されていたテレビドラマの録画をたまたま見ているとこんなシーンが

舞台はITシステムの開発会社。突然の仕様変更で現場は大騒ぎとなりました。残業に次ぐ残業、徹夜に次ぐ徹夜で膨大な仕事をこなしてゆく社員たち。そんな中で「子供に風邪をもらちゃって」と一人が咳をしながら職場にやってくる。

いや、そんなことしたら駄目でしょう、と反射的に思ったのですが後から調べるとこのドラマは4年ほど前に作られたものだとか。そうか、昔は(と言っても数年前)は体調が悪くても頑張って職場に行く、というのが「仕事が大変」という表現の範疇だったんだ。

Mask_man

 新型コロナウイルス感染症が問題となった2020年からは「体調が悪くなったら仕事を休む」のが常識となったと思います。少なくと大学では体温をチェックしていて、熱があっても無理をして大学に来る、ということは学生にも職員にも許されていません。

 4年前の状況では「風邪」を職場の人にうつすかもしれない、という可能性が小さなリスクだと評価されていた。だから風邪をひいても職場に来ることは風邪による自分の苦しさに打ち勝って仕事を優先する(というか、仕事場の同僚に負担をかけない)という側面が重視されるわけです。それはそれで理があるように見えるのですが、もう一つの視点として、その仕事はそんなに重要か、という問いかけもあるでしょう。今回のドラマでいえば、仕事そのものよりも納期が厳しいことが問題なのですが、果たしてその納期には合理的な理由があるのでしょうか。もっとも、これはドラマでは描かれない部分なのですが。

 さて、近い将来、今回のコロナウイルス感染症の問題が片付いたとき、このドラマの表現は再び受け入れられるようになるのでしょうか。それとも体調が悪いのに仕事に来るなんて変な話だ、という新しい常識が定着するのでしょうか。今のところ先は見通せない状況ですね。

江頭 靖幸

 

« 「研究室配属に関する説明会」を開催しました。(江頭教授) | トップページ | 地産地消VSグローバリズム ― 人材 ― (江頭教授) »

日記 コラム つぶやき」カテゴリの記事