地産地消VSグローバリズム ― 人材 ― (江頭教授)
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この記事は地産地消とグローバリズムについて述べた記事の第4回目になります。最初はエネルギー、次は食料、その次は工業製品ときて今度は人材のお話。ちょっと地産地消という言葉にはそぐわないかも知れません。(人間相手で「産」はともかく「消」はまずいよ。)というわけで、今回までの意味でのグローバリズムや地産地消とは少し離れて、もう少し抽象的な話だと思ってください。
今まで論じてきたものと比較して、こと人材について言えば地産地消とグローバリズムの比較は少し違う意味になります。特にエネルギーが顕著ですが、エネルギーは利用に際してはどんなエネルギー源から、どこで造られたエネルギーかはまったく関係がありません。たとえば日本で太陽電池で得られた電気でつけられたLEDライトでも、輸入された石炭から火力発電で得られた電気のあかりでも、利用者はそれを区別することができません。工業製品や食品には多少のローカル性があるでしょうが、それでも国産品と外国製の製品を判別することは難しいでしょう。
その一方で「人材の多様性」という観点からすると、異なるバックグラウンドのある人々が働くことができる環境には特別なメリットがある、すなわちグローバルリズムが望ましい、という議論に(少なくともエネルギーの場合以上に)説得力があると言えるでしょう。
ということで、人材についてはグローバリズムの方にメリットがあり、地産地消的な考えは馴染まない。
とまあ、ここまではいわゆる建前論。外国から来た人材とその国で生まれ育った人材とが基本的に同じタイプの仕事をする、というのであればこの建前論に異論はありません。しかし海外から来た人たちに、いわゆる3K仕事を任せることが常態化している。そんな形でのグローバリズムも成立する、というか世界ではありふれた話なのではないでしょうか。人材と言わずに労働力と言い換えるとどうでしょうか。労働力のグローバリズムというと聞こえは良いですが、それが賃金の安い労働力を海外に求めることであるとすれば、そこには問題、というか改善の余地がある様に思います。
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