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化学の専門家にMacユーザーが多い理由(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 ♪我らMac、大空を翔るMac

 というわけで今日はMacのお話し。あ、念のためにMacとはapple社(下図はappleの日本のWEBサイトです)が発売しているパソコンの名称です。いわゆる(IBM互換)PCとは別系統のパソコンで、早くからグラフィカルユーザーインターフェイスを取り入れていたことで有名です。

 さて、これはきちんとした統計資料があるかどうか、詳しいことは知らないのですがデザイナーやDTPの専門家には Mac ユーザーが多いといいます。これに比べると信頼性は落ちると思いますが、化学の専門家にも Mac ユーザーが多い、という話もあるのです。さてその理由はなんでしょうか。

 先に Mac の特徴としてグラフィカルユーザーインターフェイスを挙げておきましたが、もう一つの重要な特徴として WYSIWYG が挙げられると思います。"What you see is what you get." 略して WYSIWYG 。コンピューターの画面上に示された画像がそのまま印刷される、という設計思想のことでDTP ( Desk Top Publishing )では必須の条件となります。パソコンとして Mac 、プリンターとして LaserWriter というレーザープリンターを組み合わせてWYSIWYGを実現した Apple社の環境は、初めて一般の人が利用できる DTP を実現したものだ、と言えると思います。必然的にDTP関係者やデザイナーには Mac ユーザーが多い、これは納得できる話です。

 では化学の専門家の場合はどうでしょう?

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 実は化学の分野でMacの普及に大いに貢献した、というソフトがあるのです。ChemDrawというドロー系ソフト、いわるゆるお絵かきソフトですが、化学式を描く事に特化したソフトです。

 化学の論文ではたくさんの化学式を正確に描かなければなりません。そして望むらくはバランス良く見た目のきれいな化学式を描きたいところです。普通のお絵かきソフトでも描けないことはないのでしょうが、専門のソフトにはかなわない。ChemDrawは化学の分野であっという間に広がって行きました。当初ChemDrawはMac専用のソフトだったので、ChemDrawを使うならMac、となってMacが化学分野で大いに普及したのでした。

 その後、IBM互換PCに搭載するMicrosoft社のグラフィカルユーザーインターフェイスであるWindows OS が登場し、IBM互換PCによるDTP環境も実用に耐えるレベルに達するとWindows版のChemDrawが発売されました。Windows版も、やがてMac版に劣らないレベルとなりましたが、それでも化学の専門家にはMacにこだわる人たちがいる。だから化学の専門家にはMacユーザーが多い、というのです。

 さて、このChemDraw、現在は他の化学・生物関係のソフトと一緒にChemOfficeという名前でまとめられています。本学の応用化学科ではライセンスを購入しているので学生を含めて誰でもChemDrawを使ったきれいな化学式を描いて発表や論文投稿に利用することができます。

♪ Mac Mall 地の底へ

 

江頭 靖幸

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