LCAの「ライフサイクル」が「サイクル」に見えない件(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
ライフサイクルアセスメント(LCA)の「ライフサイクル」とは製品の原料収集、組立、使用、廃棄の全プロセスのこと...などと説明するのですが、よく考えるとLCAに出てくるライフサイクルって全然「サイクル」じゃないんですよね。リサイクル(厳密には水平リサイクルです)すればサイクルっぽいですが普通は原料→製品→廃棄物と一方通行です。
そもそもライフサイクルってなんだっけ。例えば蝶のライフサイクルを考えてみましょう。
卵が芋虫になってサナギになって蝶になる。蝶は死んでしまいますが残された卵から再び新たな蝶の物語が始まるのです。
そう、これは完全にサイクルなんですよね。
蝶の最期の後に卵が残っている、というところがサイクルと呼ばれる所以。命の永続性とでも言いましょうか。まさに生命=ライフのサイクルなので、工業製品などと同列に論じるのは如何なものか。
と、思ったら、いましたよ。生き物の中にも「サイクル」にならない「ライフサイクル」を送るのが。
優しい両親の元に生まれてすくすくと成長し、やがて魅力的なパートナーをみつけてあたらな命を授かって...
ここで死んでしまったら悲劇。普通の人生とは言えません。このあともずっと生き続ける人間の「ライフサイクル」は工業製品の「ライフサイクル」とよく似ているのでは。
とするとLCAの「ライフサイクル」は「ゆりかごから墓場まで」と言った方が相応しいのかも知れませんね。(いや、だから何だ、というわけでではありませんが...。)
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