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続・パソコンかスマホか?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 むかし「笑ってお仕事。」というCMがありました。マイクロソフト社が Poor man's Mac (貧乏人のMac)、じゃなかった、Windowsを発売したときのCMで、私は「何て趣味の悪いCMなんだ」と思ったものです。とはいえ今でも覚えているほどの印象を残したということはCMとしては成功しているのかも知れませんね。

 それはさておき、ここで「お仕事」という単語が入っているのがポイント。Windows(と、それをインストールしたPC、正確にはIBM互換パソコン。日本ならNECのPC98など)は仕事に使うもの、仕事に使えるだけの信頼性のあるもの、と主張したかったのだろうと思います。当時グラフィカルユーザーインターフェイスでは圧倒的に先行していたMacの利用者イメージがアーティスト的だったことから差別化を図りたかったのでしょう。(いや、化学者がアーティスト的だという気はありません。化学者がMacを使っていた理由は別にあるのです。)でもユーザー側からみても「仕事でもなければ(Macはともかく)Windowsなんか使いたくないよ。」という気持ちに寄り添ったCMと言えるでしょう。(ほんとか?)

 さて、話は変わって前回の「パソコンかスマホか?」論の続きとして、今回は以下のようなデータを持ってきました。出所は総務省の「情報通信白書」の令和2年版。いろいろな情報通信機器の世帯保有率の推移を示したグラフです。

 

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 まずスマホ(ここではきちんとスマートフォンとなっていますね)の緑の線をみてみると2010年からぐんぐん伸びて2019年には8割の普及率に到達しています。えっ!8割?10割じゃないの、と思う人もいるかも知れません。特に大学の様な若い人が多い組織いるとそんな気になります。

 ではパソコンはどうでしょうか。黄色の線はゆっくりとした右肩下がり。2009年には9割に迫っていた保有率がだんだん減少し、2019年時点で約7割に。2016年頃にはスマホに追い抜かれているのです。

 本学の学生を見る限りパソコン離れが起こっているようには見えないが...いやいや、本学には授業のためにノートPC必須という条件があるので保有率は100%に決まっています。ではこの10年ほどでパソコンから離れていったのはどんな人たちなのでしょう。

 職場からリタイアした人たちがやっと「お仕事」から解放されたのか。それとも若い人が昔の様にPCを買わないのか。(若者のPC離れ、というやつか。)詳細の分析はありませんが、スマホとスマホ用のサービスの進歩にともなってPCがなくてもスマホで用が足りる、というひとが増えてきているのは確かなことだと思われます。本格的な仕事にはパソコンが必須だと思いますが、実は仕事以外のために保有されていたパソコンもそれなりの割合あった、ということなのでしょう。

江頭 靖幸

 

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