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東京工科大学のハラスメント対策(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 前回の記事で私の考える「ハラスメント」の起こる仕組みを説明しました。出発点は自分自身の経験ですが「誰が何を嫌がるか、完全に予測することはできない」と私は思います。だとすると、ある人が別の人が嫌がる行為をしてしまうことを完全に防ぐことは不可能です。普通は嫌がる行為をされた人が、その行為をした人に「止めてくれ」という。それで問題解決、というのが一番簡単なケース。

 ですが、人間関係にはいろいろ立場があって「止めてくれ」と言いにくい関係もある。それが「ハラスメント」の原因だ、というのが私の考えるハラスメントです。

 では、ハラスメントにどう対応すれば良いのでしょうか。間に第三者に入ってもらうのが良いですよね。この第三者、ケースバイケースでいろいろに相応しいひとがいると思います。でも、大学という組織の中で、学生という立場で、それに相応しい人を見つけるのが難しいケースもあるでしょう。ということで、本学にはハラスメントに関する相談窓口が用意されています。

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 あ、窓口といっても本当に物理的な窓口があるわけではありません。「おや、○○君がハラスメントの相談窓口にいるぞ。何があったんだろう。」これでは情報ダダ漏れですよね。

 メール、電話、手紙、相談を受け付ける役割の先生に直接コンタクトする。などなど。ハラスメントに関する相談「窓口」はいろいろな形のなかから相談したい人が自由に選べるようになっています。受け付けた相談は匿名性を維持した状態で「ハラスメント防止委員会」で検討し、必要に応じて調査を行って大学院なら研究科長、学部なら学部長が対応をします。

 このハラスメントへの対応ですが、基本的には前半で述べた「間に入る第三者」の代わりです。

 ハラスメントは必ずしもかわいそうな被害者と悪い加害者が作り出すドラマではありません。(いや、そういうケースもあるかも知れませんが。)「ハラスメント防止委員会」も悪を懲らしめる正義の味方という役どころではありませんから「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい」とか「成敗!」と言ったりはしません。そもそも必要なのは正義を実現することではなく、困っている人の問題を解決することですからね。(あっ、「これにて一件落着」は言うかも。)

江頭 靖幸

 

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