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かぼちゃと甲虫(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 この記事を書くのには苦労しました。裏庭に植えてあったかぼちゃの蔓にかぼちゃが実っていました。これに虫(甲虫の小さい奴)が食いついてかじっていたのです...あーもう無理!

 なんの話かって?いや、上の話は私が小学生高学年(もしかしたら中学生)の子供のころの体験談で実話。私はその情景をみて心底恐ろしく感じたのです。「身の毛がよだつ」とか「背筋が凍る」とか。お話としては聞く表現なのですが実際にそれを体験するとは。いまから少なくとも45年前の体験ですが、それでも思い出すだけで気分が悪くなる。だから、いまこのブログに当時のことを書くのも命がけ、はさすがにオーバーですが、一苦労ではあるのです。

 さて、この「かぼちゃと甲虫」のどこがそんなに恐ろしかったのでしょうか。今回のブログのポイントはまさにそこで、特に恐ろしく感じる様な客観的な特徴がない。全く思いつかないのです。何か別のものを連想して恐ろしいとか、何か恐ろしい体験を思い出して怖いとか、そんなことも全くありません。(いや、本当はすごく恐ろしい体験をしていて記憶が封印されているのかもしれませんが…。)

 虫が嫌いな人はそれなりにいるのですが私はどちらかというと虫が好きな方。少年時代は昆虫の造形にワクワクしたタイプです。かぼちゃは…、最近のかぼちゃは甘くておいしいですよね。(そこじゃない!)なにはともあれ、まったく自分でもまったく理由が分からないのですが、この「かぼちゃと甲虫」という情景だけは全く受け付けないのです。

 要するに私には「自分でも全く理解できず、まして他人には理解も予測も不可能な嫌なことがある」のです。

Vegetable_kabocha

 もし私に嫌がらせをしたいと考えた人がいたら、私に「かぼちゃと甲虫」の情景の写真を見せれば効果てきめんです。でも、残念でした、私の体験には実はもう一つ決定的な要素があってその点はこのブログでは伏せてあります。このブログの情報から私に嫌がらせをするのはまず無理でしょう。

 でももう一つの可能性について考えてみてください。積極的に嫌がらせをしたいならともかく、何かの偶然で私に「かぼちゃと甲虫」を思い起こさせる何かを見せてしまう可能性はないでしょうか。

 まあ、ないでしょう。あまりにも特殊で限定的すぎるシチュエーションですから。

 では、私以外の人は。もちろん普通の人にとって「かぼちゃと甲虫」は無害です(積極的に好きな人は少ないでしょうが)。でも、私と同様に「自分では全く理解できず、まして他人には説明も予測も不可能な嫌なことがある」人がいたとして、その人に嫌な思いをさせることはないと言えるでしょうか。その行為はいじめではないのでしょうか。そして、そんないじめを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

 わざわざ難しく考える必要はありませんね。「その人に嫌な思いをさせること」はあるでしょう。そして防ぐことはできません。ですが、人間には言葉ありますから「やめてくれ」と言えばよいのです。そこで言われたら止める。もし言われてもやめなかったら、そこではじめて「いじめ」になるのです。

江頭 靖幸

 

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