« 改めて「プログラム教育」は難しい、という話(江頭教授) | トップページ | 新型コロナワクチンの意識調査をしてみました(片桐教授) »

ハードディスクの価値は記憶容量に比例しているのか(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 ネット上のドライブ(データ記憶領域と言うべきか)の使用量が多すぎる、という連絡が大学のネットワーク委員会からとどきました。これはいけない。ネット上のデータを手元に移動させよう、ということでいろいろ調べることに。

 データ記憶で一番安いのはテープ、という意識があるのですがさすがに今はないだろう。CD、DVDときて今はblu-rayが安いのでしょうか。とはいえこれはアクセスが不便。やはりハードディスクを対象にしましょう。まずハードディスクはどのぐらいの値段なのでしょうか。

 PCのパーツ(やその他諸々)の通販での値段を調べることができる便利なサイト「価格.com」を使って3.5インチサイズの内蔵型ハードディスクをいろいろと眺めてみます。最近は18TBのドライブまであるのか。これだけの記憶容量だとさすがに高いなあ。やっぱりハードディスクの値段は記憶容量で決まるのだろうか。そう思って作ってみたのが以下のグラフです。

 全部で3.5インチサイズの内蔵型ハードディスクの分類には294件の製品の価格が登録されていますが、他の条件をそろえるために一つのメーカー(SEAGATE社)の一つのシリーズ(Iron Wolf Pro)に限定して2021/07/10時点での最安価格と記憶容量の関係をプロットしてみました。

 きれいに右肩上がりのグラフになっていますが、気になるのは4TB、8TB、10TBのところ。まず4、8TBにデータの重複があって全体の傾向よりかなり高い(2倍くらい)の価格がついています。この異様に高い価格の製品は実は2016年、2017年の製品で一世代まえのもの。また10TBのデータも重複していますがこれも2016年と2019年の製品であり、2016年の方が高いという傾向は4、8TBと一致しています。ただし、同じ世代で容量別に比べると、なぜか10TBの製品だけ2019年版が他の容量のものより高く2016年度のものは他の容量のものより安い、という例外になっています。

Photo_20210710224201

 多少例外はありますが、ハードディスクの値段は記憶容量が大きいほど高い。ただし新しい製品ほど安い、ということの様です。では記憶容量当たりの価格で比較してみましょう。

Photo_20210710225001

 今度のグラフでは一番容量の小さい2TBの製品のデータがかなり高いのが目立っています。この2TBの製品、じつは2017年の発売で4TB、8TBにもある一世代前の製品なのです。そう思ってみるとこの世代の製品は6000~8000円/TBにある。ただし2016年の10TB版はここでも例外でかなり安価でした。(とはいえ2019年以降の製品と比べると高いのですが。)

 さて、こうしてみるとハードディスクの価格は同じ世代の製品ならおおよそ記憶容量に比例している、と言って良さそうです。(もちろん、同じメーカー、同じシリーズ内での比較ですから記憶容量以外の付加価値も考慮する余地はありますが。)

 

江頭 靖幸

 

« 改めて「プログラム教育」は難しい、という話(江頭教授) | トップページ | 新型コロナワクチンの意識調査をしてみました(片桐教授) »

日記 コラム つぶやき」カテゴリの記事