フローチャートというものがありまして(江頭教授)
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プログラムを組むという作業は基本的には非人間的な作業なのだと思います。人間がものを考えるスタイルとプログラムに必要な理論の組み立てには違いがあって直感的にプログラムを組むのは難しい。だからプログラムで必要とされる論理の流れを人間の頭の外に取り出して落ち着いて検討できるようにしよう。難しい言い方ですが、要するにプログラムの流れを図解することで論理の流れを「見える化」しよう。そう考えた人たちが作ったのが「フローチャート」なのでしょう。
「フローチャート」は紙に書いた四角やひし形の図形を矢印で結んだもの。図形には個別の作業、というか処理が書いてあって、その処理の順番が矢印で表されているわけです。処理が順番にならんでいるだけならわざわざ矢印で結ぶ必要はありませんが、判断(if文ですね)が行われて条件分岐が起こる場合、その流れを追いかけるには適しています。
さて、このフローチャートですが、実際にプログラミングをするときに使っているか、と言われると答えはNoです。
別に、思考能力が鍛えられてプログラムに必要な論理的な思考が直感的にできるようになった、というわけではありません。どちらかというとプログラム言語に慣れてきて、ソースコードを書けば処理の流れが簡単に追えるようになった、というのが当たっていると思います。わざわざ図にして矢印で結ばなくてもきちんとインデントをつけたif文を並べればフローチャートと同じ情報が見て取れる。ソースコードのエディターを使ってプログラムの「見える化」ができてしまうのです。
ならフローチャートは過去の遺物なのか、というとそんなこともないと思います。誰もかれもがソースコードで処理の流れを追うことができるわけでもないでしょう。また、複数人で共同作業をする場合など、ソースコードではなく、もっと抽象的なレベルで処理の「見える化」が必要な場面ではフローチャートはやはり有効な手段だと思います。
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