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改めて「プログラム教育」は難しい、という話(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 先日のこのブログ記事での紹介した授業点検ですが、今回はプログラミングの授業を見せてもらうことができました。演習中心で二コマ連続の授業なのですが、さすがに時間がかかる、ということで点検対象は最初の一コマでした。

 さて、このプログラミングの演習は機械工学科の学生が対象です。演習のはじめに学生さんたちがマイコンキットを一箱ずつ持って行きます。聞けばセンサーからデータを取り込み、PCで可視化する、というシステムを自分のノートパソコンとマイコンとセンサーとでつくるのだとか。これは面白そうですね。

 マイコンが余っていたら私もやってみようかな、などと思ってみていたのですが学生さんの中には苦戦している人もいるようです。はてこれは一体...。 

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 授業全体の進み方は、まずセンサーのメカニズムについての説明。センサーの状態と出力される信号の関係が解説されます。それにつづいてセンサー出力から実際の状態を計算するアルゴリズムについて。こちらは演習問題が中心でした。そして最後に実際のプログラム、となります。

 さて、全体の流れは良いと思うのですが、やってみるとアルゴリズムを定式化する部分で躓く学生がいる様子なのです。こんなに分かり易く説明してもらっているのに。

 ここでふと思い至ったのですが、プログラミングに慣れていない学生にとって、アルゴリムズをプログラム言語で書き表す、という作業はかなりハードルが高いのでないか。プログラム言語の文法が頭に入っていない段階では一文一文を書くことに注意力を奪われてしまって、その全体としてのプログラムが表現しているアルゴリズムを読み取ることができない(いや、一文一文丁寧に追いかければ読み取れるのでしょうが、ぱっと見て把握することができない)に違いない。

 こう考えて、初学者には以前に紹介したフローチャートの様なものが必要なのではないか、と思い至りました。その時の記事では今では「紙に図を書いてアルゴリムズについて検討する」という作業はしない、と書いたのですが、このような授業では必要なのかも知れません。

 いや、やっぱり「プログラム教育」というのは難しいですね。

江頭 靖幸

 

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