Google Document によるMS-Wordファイル編集機能の互換性が完全でないことは仕方ないとしても警告メッセージが表示されないケースがあるのは困ったものだ、という話(江頭教授)
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我々東京工科大学工学部応用化学科の卒業研究発表会は8月のお盆休み前に設定されています。今月の28日はその要旨の提出日。要旨は卒論生諸君がA4で1ページの文書を作成します。原稿はMicrosoft社のWordを使って作成しますが、この要旨に図や表を入れる学生さんも多く、結構複雑なレイアウトが必要になることもあります。
我々教員は学生さん達が作ってきた原稿にコメントを入れ、あるいは直接編集するなどして要旨の内容、体裁のブラッシュアップに協力します。この時、私の研究室では Google社が提供する共有ドライブサービスである Google Drive を利用して編集したファイルのやり取りをしています。
この Google Drive、データ交換の機能に限定されていれば良いのですが、お節介なことに Google Driveに置かれたMS-Word形式のファイルはGoogle社の提供するもう一つのサービスである Google Document によって中途半端に編集出来てしまうのです。
例えば、私は文書の中に図を入れるとき、MS-Wordのテキストボックスの機能を利用して図とその説明文を一緒にまとめてレイアウトできる様にしているのですが、 Google Document は現時点(2021/07/29)ではこれを処理できないのです。オンラインで図が表示できず、さらに編集するとそのデータが失われてしまいます。これは以下の警告の通りでした。
とまあ、ここまでなら「互換機能なんてせいぜいこんなもんだよね」で済むことです。ところが今回の要旨提出に際して判明したのですが上記の警告のメッセージ、ファイルの内容によって表示されないケースがあるのです。ファイル構造が複雑だからか、校閲機能を使っているからか、具体的な条件を詰めることはできていないのですが、学生さんが迂闊に Google Document で編集してしまってファイルを壊してしまうケースが複数でてきました。「せっかくレイアウトを直してあげたのに何が不満なんだ」と思ったら、そもそも Google Document では直したレイアウト自体が表示されていなかった、という体たらく。
「Google もまあ、頑張ってるみたいだけど、本格的な文書を作成したいならやっぱりデスクトップアプリケーションで編集しないと」ということで Google Drive はファイルの交換のみに使用して、編集はMS-Wordで行うしかないでしょう。
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