書評「マイケル・サンデルの白熱教室 エリートたちよ 君の成功は努力の結果?それとも運?」(その1)(江頭教授)
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マイケル・サンデルの白熱教室については以前「マイケル・サンデルの白熱教室2018」について書きました。今回私が見たのは今年(2021年)7月24日に放送された「マイケル・サンデルの白熱教室 エリートたちよ 君の成功は努力の結果?それとも運?」という約2時間の番組です。なお、これは再放送で本放送は2021年の7月4日から行われていたようです。
最初の「白熱教室」の放送は2010年だったでしょうか。講堂一杯の学生と討論形式で進めるという授業形式はなかなか高度なもので、私の周りでも話題になった記憶があります。
「なるほど...。君の名前は。」
と学生に名乗らせて、その名前を覚えて議論を展開してゆく臨場感に、私もワクワクしたのを覚えています。
さて、今回の「白熱教室」は大きく分けて二部構成。前半はコロナ禍におけるエッセンシャルワーカーの扱いについての議論でした。議論に参加したのはアメリカ、日本、中国の若者達。学生達の様子がまず各国の状況が反映しています。アメリカの学生達はZoomでの参加。日本の学生はスタジオに集まっていましたがアクリル板の仕切りあり。中国の若者達は普通のスタジオ収録でした。
この前半の議論は、はてどうでしょうか。私にはピンとこなかったのは日本のコロナウイルス感染症の状況がそれほど深刻では無かったからでしょうか。デリバリーサービスをする人に自分の感染リスクを押しつけているのでは、という問題提起もありましたが、それを言ったらそもそもお店に行く、という手間を押しつけている。普段から、例えば交通事故に遭うリスクを押しつけているとも言えます。それが大前提のサービスなのでは。というか何によらず有料のサービスというのはそういうものなのでは。コロナ禍でリスク評価が揺らいでいるのはその通りなのですが、だから何、という気がしたのも事実ですね。
では、後半は...これについては次回にお話ししましょう。
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