スライドとOHP(江頭教授)
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昨日の記事でスライドの話を書いたので、ついでにOHPの話もしておきましょう。今度行われる卒業論文中間発表会など学内の発表会や学会での発表、いわゆるプレゼンではノートPCにプロジェクターを接続して図やグラフを投影する、というスタイルが一般的です。ですが、それ以前はどのように発表していたのか。ということで前回は写真のフィルムをベースとした文字通りの「スライド」を使っていたことを紹介しました。
この写真のフィルムを使う、というところがポイントで実はこのスライド、自分の手元では作成することができません。写真屋さんに原稿を提出して撮影、現像して作ってもらう必要があったのです。(写真屋さんは、分かりますよね。)当然、すぐに出来るはずもなく発表の数日前に原稿を完成させておかなければなりません。原稿を提出してしまえばスライドに手を入れることが出来なくなってしまうのです。例え間違いを見つけても後の祭り。まあ、発表前にスライド作成が強制的に終了するわけですから、後は発表練習の時間となります。その分発表のクオリティは上がっていたのかも知れません。
とは言えこれは不便だ。ということでその後で使われる様になったのがオーバーヘッドプロジェクター、略してOHPです。
オーバーヘッドプロジェクターでは光源は上に向けて光を出しています。その光路には30cm四方(A4の紙が横でも縦でもおけるくらい)のガラスの台があって、ここに透明のシートに文字や図を描画したものを乗せるのです。その後はレンズで拡大され、鏡で横方向に曲げられてスクリーンに投影されます。
ポイントは透明のシートにコピー機を使って原稿を転写できる、という点です。その頃にはコピー機は学科の事務室に普通に置いてある程度には普及していましたから、各自A4で原稿を作成し、コピー機に専用の透明シートをセットして印刷する、という手順でOHP用のシート(トランスペアランシー、と呼ぶのだそうですが私の周りでは機械と同じく「OHP」と呼んでいました。)を作ることができました。これで写真屋さんに原稿を届ける必要もありません。
昔のコピー機は白黒が基本なのでOHP用のシートも白黒。これにサインペンなどで手書きすると色つきの強調ができる、といった工夫もありました。また、その後普及したインクジェットプリンターを使えばきれいなカラーのOHPを作ることもできました。
昔はどこの教室にもこのOHPの装置が置かれていたものです。でも、ノートPCが普及するに従ってプロジェクターに取って代わられて行きました。東京工科大学でも工学部が創設された2015年ぐらいまでは一部の教室にこのOHPの装置が置いてあったように思います。とはいえ、その当時でももうあまり使われている様子はなかったですね。
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