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大学院秋入学式での祝辞(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 2021年9月24日に大学院秋入学式が行なわれました。毎年、秋入学式では学長の祝辞の後で、各研究科長も祝辞を述べます。

 仕方ないことですが、祝辞の内容は学長、バイオ・メディア・コンピュータ研究科長と私で、何か必ずかぶります。そして,工学研究科長の祝辞は一番最後なので、原稿を作っていても、アドリブで変えます。そうすると、品がなくなります。

 祝辞の実際に喋った内容を以下に掲載します。この秋に入学した早期卒業生の皆様の大学院生活が実り多く充実することを心からお祈りいたします。

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大学院入学式お祝いのことば

 皆さん、ご入学おめでとうございます。

 新型コロナの第5波もほぼ納まってきています。第5波のピークの5534人に比べれば、今の新規陽性者数も十分の一になりました。しかし、この数字で一喜一憂してはいけません。第1波の東京都の新規陽性者数のピークは206人です。まだあの大騒ぎの時のピークよりも2倍以上高い水準です。第5波の減少傾向に甘えることなく、これからも感染予防に努めましょう。マスクを付け、3密を避けましょう。

 東京都の新型コロナの新規陽性者数の、昨年と今年のグラフを重ねると、ほぼ同時期に波が来ています。去年の第1波と今年の第4波はほぼ同時期です。第2波と第5波も同じ時期です。そして、今年の波の高さは去年のおおよそ10倍です。昨年末から今年のはじめに掛けて,第3波が来ました。今年の1月8日のピークには2392人でした。最悪、この10倍の高さの波が今年の11月終わり頃からくるかもしれません。

 だから、今年ご入学の皆さんの大学院生活では、スタートダッシュが大事です。この10月11月は新型コロナに邪魔されずに、思いっきり研究ができる貴重な時間です。今のうちに研究をすすめましょう。

 

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 大学院生活をカーレースに例えるなら「ル・マン24時間耐久レース」です。早期卒業制度の方は「18時間耐久レース」でしょうか。研究は限られた時間の中で、どこまで遠くへ行けるかの勝負です。

  飛ばしすぎて壊れないように、張り切りすぎて燃料切れを起こさないように、最後まで着実に自分のペースで、できるだけ遠くへ行くよう努力ください。

 皆さんのレースコースは新型コロナのせいで、障害の多いものです。大きなピンチは大きなチャンスです。このピンチの経験を今後のチャンスとしましょう。

 困難の克服経験は貴重です。この1年半のタフモードのレースを走り抜くことができれば、残りの人生はイージーモードです。大丈夫です。地獄は慣れます。

 私が会社員になったとき、それまでの大学での1日18時間研究三昧の日々から解放され、いきなり、1日8時間しか働かなくて良い。土日はお休みだ。しかもお給料ももらえる!。と思ったことがあります。同じ同期入社の方で、1日8時間も働かなくてはならない、お休みは週2日しかない、しかもこれしか給料がもらえない、と嘆く者もおりました。

 この難しい大学院生活を乗り切れば、どんな困難も乗り切る自信が持てます。皆さんはコロナ禍での卒業研究や大学生活を経験し、時間の貴重さを他のどの世代よりも知っています。そして、克服してきました。この経験を今後の人生に活かしましょう。

 皆様のこの難しい状況での大学院での経験が、皆様の将来の糧になるように、我々はサポートします。そして,実り多いものになることをお祈りいたします。

片桐 利真

 

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