「ソーシャル・ディスタンス」のソーシャルとは?(江頭教授)
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コロナ対策、日本では三密回避とか言いますが欧米では「ソーシャル・ディスタンシング」とか言いますよね。「ソーシャル・ディスタンス」なら日本でもときどき使われる言葉です。私も何気なく使ったのですが、片桐先生から「その言い方はおかしいのでは?」とのお言葉が。確かに。なんで「ソーシャル・ディスタンス」なんだろう。
と言うわけで、以下、このソーシャルがどんな意味なのかを調べてみた、という話です。
ググれ!ということで、まず「ソーシャルディスタンス」と「語源」で検索します。
候補のトップに出てくるのは「コロナ危機をきっかけに “social” という単語の意味を考える」という記事(2021/09/22 16:34 時点の検索です)。WIPジャパンという翻訳業(って言うのかな?)の会社のサイトにあるコラムでした。答えはほぼここに書いてあるようなもので、ソーシャル( social )という語には「『人が人と会うこと』への視点があり」、social distancingは「『人が人と会う際の距離(=対人距離)を置くこと』」と理解できるとのこと。なるほど。
検索結果をたどっていっても特に矛盾するような記述はありません。検索結果4番目の wikipedia には「社会距離拡大戦略」という項目が乗っていますが、別名として「人的接触距離の確保」というのがあって同じような意味合いです。
「ソーシャル」を「社会」と言い換えてしまうと、その瞬間に「人間」に対峙するものの様に思えてしまう。この背景にある考え方は、「サステイナブル社会」の説明によく出てくる三つのPの図(例えばこちらの記事をご覧ください)で「People」と「Prosperity」を対立するものとして示していることにも共通して現れている考え方なのだと思います。個人からみた他人を集団としてまとめて「社会」と言い表す。でも本来の Social はそれ以前の、集団としてまとめられる前の一人一人の人間としての他人も示しているのですね。
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