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腕時計と手帳(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 私がはじめて腕時計を付けるようになったのは中学校に入学したときでした。父が入学祝いに買ってくれたもので、それ以来ずっと腕時計を付ける習慣が出来ました。私立の中学校だったので毎日電車に乗って通学することになった。これからは電車に間に合うように時間が分かる腕時計を、という配慮でしょうか。

 手帳についてはいつから持ち始めたのか、記憶が定かではありませんが、これも父の勤め先で顧客用に配っていた手帳の残りを分けてもらったのが始まりです。

 腕時計は電車に乗るのでいつも見ていました。いえ、授業の終わりの時間を今か今かと腕時計で確認していたような気もします。とは言え、中学生にとっても腕時計は役に立つ道具ですよね。その一方で手帳の方はなかなか身につきませんでした。

 手帳、といっても単に「手頃なサイズのノート」という意味ではありません。手帳の本体部分はカレンダー形式でそれぞれの日のメモを書き込むことが出来るページでしょう。1ページ1週間のレイアウトなら1年分で52ページ。見開きで1週間なら104ページ。ここに将来の予定を書き込み、毎日「今日は何があるか」を確認するのが手帳の使い方です。

Fashion_watch

 

 残念ながら中学生にそうそう毎日特別な用事があるわけもありません。書き込む用事がなくて確認する日程もないとなると手帳は無用の長物に。やがて扱いもおろそかになってどこかに無くしてしまう、という顛末をくり返したように思います。

  結局、手帳を使いこなせるようになったのは大学に入った後だった様な。対応しなければならない要件が自分で覚えていられる件数を超えはじめ、時に大きな「やらかし」をする様になりました。これは何とかしなくては。そうだ、こういう時に手帳が必要なんだ。ということで手帳は無用の長物から必需品になりました。

 一旦手帳を付けはじめると、今度は手帳無しでは怖くて仕方ない。どんな用事があったのかなかったのか、あの約束は何時の予定だったのか、手帳がないとよく分からなくなってきます。実際、手帳をなくす、というのは恐怖以外の何物でもないですよね。

 さて、腕時計は時間の管理、手帳は日程の管理の道具です。そう考えると、要するに父は当時の私に自己管理をしろ、と教えたかったのかもしれない。今になってそんなことを思うのでした。

江頭 靖幸

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