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デマを拡散しないように- 36 ワクチンを射つか射たないか。(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献などを読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

ワクチンはゼロリスクではない

 2021年秋、日本で行なわれている予防接種のワクチンはファイザー社製のものとモデルナ社製のものです。両方ともmRNAワクチンです。選択の巾は、残念ですが、まだこの2種類しかありません。しかも、あなたに適しているのはどちらのワクチンかを事前に知ることはできません。その指針すらまだありません。副反応の有無などは、接種してみなければわかりません。例えるなら、このワクチンは試着のできない吊るしのスーツです。人それぞれにあつらえたテーラーメードのワクチンは夢の技術です。残念ながら、我々の科学技術は、まだそこまで進歩していません。免疫についても対象となるウイルスについても完全に理解できていません。さらに、そのような個人個人に最適化したテーラーメイド・ワクチンは実現しても大変高価になり、その開発までには長い時間を必要とします。今回のようなパンデミック感染拡大には対応できません。だから、無理をして既存の「吊るしの」ワクチンを使うことになります。そのため、そのワクチンの規格から外れた人は、重大な副反応のリスクを避けられません。ワクチンはゼロリスクではありません。

 上記のレベルでワクチンや免疫を理解していると、ワクチンは絶対安全なものではないと理解できます。何も知らずに「周りが接種するから私も接種する」人は幸せかもしれません。あるいは「副反応が怖いから私はワクチンを接種しない」と考える人は悩まなくて良いかもしれません。でも、ある程度理解してしまったあなたは、ここで決断しなければならないでしょう。

「射つべきか射たざるべきか、それが問題だ!」

ハムレットの有名な台詞ではありませんが、あなたはあなたと周りの人たちの生命のための「正しい」判断をあなた自身で行なわなければなりません。ワクチンはゼロリスクではない以上、射つか・射たないかの最終決断は個人個人に委ねられます。それを周囲の人の同調圧力でねじ曲げてはいけません。

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ワクチンは自動車の任意保険

 ワクチンは自動車の任意保険に例えられます。任意保険はかなり高額で家計に痛い保険料(副反応)を必要とします。しかし、掛ければ事故のとき(感染したとき)に自賠責(自然免疫)よりも強力な保険システム(獲得免疫)により守られます。もちろん、そんな任意保険に頼らなければならないような大事故(重症化)に遭遇する確率は極めて希です。しかし、任意保険を掛けて(ワクチン接種して)いなければ、経済的に破滅(重症化→死亡)することもあります。それを避け、安心するために任意保険に加入(ワクチン接種)します。でも、保険を掛けたからといって、事故に合わなくなる(感染しなくなる)わけではありません。保険に入っていても、安全運転(感染予防)に努めなければなりません。

 このブログの内容を不用意に拡散しないように。必要なら必ず裏をとり、引用文献などを読んで自分で確認し、理解し、検証してから、自分の言葉として発信しましょう。他人のことばをそのまま鵜呑みにするのは極めて危険な行為です。

片桐 利真

 

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