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「アナと雪の女王2」っておかしくないですか?(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 私は「アナと雪の女王2」は公開当時(2019年の暮れだったかと)に見に行きました。その際の私の印象は、これは一言いわねばならん、でした。とはいえネタバレ無しで書くのは難しい。そう思って我慢していたのですが、先頃TV放映が有ったそうなので疑問を吐き出そう、というのが今回の趣旨です。あっ、「アナと雪の女王2」がディスられるのが耐えられない人はここまでにしておきましょう。

 まずはネタバレ無しで大まかなお話しから。大ヒットした「アナと雪の女王」の第一作目は素晴らしい音楽の魅力もありましたが、ストーリーが斬新で、今までディズニーが作ってきたプリンセスの物語とは明らかに違う、というのも人気の理由の一つだったと思います。

 とは言え、良く考えて見ると「アナと雪の女王」第一作はほとんど従来のプリンセスの物語をなぞっています。見ている私達は大体こうなるだろうと予測しながらみることになる。そして最後の部分でその予測を裏切ることで「今までのとは違う!」という新鮮な驚きを与えることに成功したのだと思います。

 その第一作を引き継いだこの「アナと雪の女王2」ですが、今度ははじめから「今までのとは違う!」ことをばかりなのです。新鮮な驚きを感じる以前に、物語は一体何の話をしているのか理解不能な状態に。どうして「これ」をすると「あれ」になるのか、斬新過ぎてよく分からない、という感じなのです。

(以降には「アナと雪の女王2」のネタバレを含みます。)

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 よく分からない感が一番はっきり出ていたのが「ダム」を巡るあれこれ。ダムなんて有ったんだ、あの世界観で。「ダムが魔力を弱める」なんで?「ダムは贈り物ではなくて罠だったのよ!」いや、なんでそんな事がわかるの?いや、もうちょっと詳しく状況を調べてみないといけないのでは。そんな感じで気をもんでいると、なんと主人公(の一人)はダムを壊すと言い出す。いやいやいや,それはいくら何でも。

 私は映画を見ながら思ったのですよね。「解体工事はどのぐらいの作業人員と期間がかかるんだろう。まず水を抜いて…、いや排水口があるんだろうか。水が抜けたら重機を使って…、重機?いや重機って?」

 そんな事は杞憂でした。なんと主人公に煽られた「岩男のモーグ様」みたいなヤツが石をボンボン投げてダムを壊してしまうのです。いや、そんな乱暴な。工学部の先生としてはとても納得できない暴挙です。

 「型があるから型破り、型がなければ形無し」とはまさにこの「アナと雪の女王」の2作のことを言っている様に思えます。この2作目はアルタ川のダムの話なんだとか言われても、だからって面白くないものは面白くないですよね。

江頭 靖幸

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