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忘れようとしても思い出せない映画「あの高地を取れ」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「忘れようとしても思い出せない映画」というのは「昔観て印象に残っているが、映画のタイトルなどが思い出せない映画」のこと。折に触れてシーンやストーリーの断片を思い出してしまって気になって仕方がないけれど肝心の映画のタイトルが思い出せない。いっそ忘れてしまいたいほどだ、とううわけです。映画評論家の町山智宏氏がネットラジオで読者から投稿された映画の断片的な情報を元に映画のタイトルを言い当ててみせる、というネタをやっていて、そのときのタイトルがこの「忘れようとしても思い出せない映画」でした。

 私にとっての「忘れようとしても思い出せない映画」は

アメリカの軍事教練キャンプに新兵達がやってくるが、全くダメダメ。「全体進め」で歩いても隊列はすぐにバラバラに。でも数往復で見事な行進をキメて、教官は涙ながらに「おまえ達は俺の誇りだ!」

というもの。いや、いくら何でも安直だろう。それに映画なのに数分で終わっちゃったよ。

 実はこれ、TVでこの映画を観ながら私が眠ってしまって映画の頭と終わりしか覚えていないわけです。一体この間に何があったんだろう。どうしても気になって「忘れようとしても思い出せない映画」となったのです。

 なんて話をしたのが昨年のお正月。そこで兄から、それは「あの高地を取れ」という映画だよ、と教えられて長年のモヤモヤがはれました。早速DVDを買って鑑賞することに。
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 まず驚いたのはこの映画、実は戦争映画ではなかったのです。新兵の訓練をする教官となった元軍人が主人公の物語。戦争のシーンもありますが最初に少しだけ。主人公の戦争経験として描写されているだけなのです。これが朝鮮戦争ですから、その後に戦争のシーンを入れることもできないのですね。

 私は勝手に「ダメダメだった新兵達が鍛え上げられて戦場に向かい、武勲をあげて帰郷する」ような話を想像していたのでいきなり肩透かしをくらった感じです。

 新兵を訓練するに当たって厳しくするか優しくするか、とか、戦争未亡人とのちょっとしたロマンス未満のあれこれとか。うーん。あっ、一つ面白かったのはつらくなって逃げ出してしまった新兵を連れ帰るというシークエンスでした。基地を抜け出したら大問題(脱走ですからね)になるので、その前に何とか捕まえなくていけない。大学で教鞭を執るようになっているので少し主人公の気持ちがわかるかも。まあ、いまの大学の場合は脱走する、じゃなくて大学に来なくなる、という方が問題なのですが。

 で、この「忘れようとしても思い出せない映画」を観ての私の感想。

うん、まあ、寝るよね。

思い出のままにしておけば良かったのかなあ。

江頭 靖幸

 

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