「待つも親切、待たぬも親切」(江頭教授)
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今回のタイトル、元ネタは「貸すも親切、貸さぬも親切」で大ヒットしたテレビドラマ「半沢直樹」の第二部に出てきたセリフです。困っている会社にお金を貸すのは親切。でもお金を貸すことでその会社の本来の問題の解決が先延ばしにされるなら、敢えてお金を貸さないことでその企業が問題にきちんと向き合えるようにしてあげることこそが親切だろう。大意はこんなところでしょうか。(このセリフの本来の意味は少し違っている様ですが。)
で「待つも親切、待たぬも親切」の待つ待たないはお金の話ではありません。レポートや課題の期限のお話しをしたいと思うのです。それというのも先日紹介した本学の全学教職員会で行われた講演「ハラスメントのない大学づくり」の中でコロナ禍に対応したオンライン授業のガイドラインが紹介されていて、そのなかに「講義の録画を視聴できる期間は1週間以上」「課題の提示から提出までは1週間以上」という項目があったからです。
これについて私は懐疑的なのです。
実は我々応用化学科でもコロナ禍に際して学生諸君の学修の実態調査を行っていて、その際にも「複数の課題の〆切を管理して計画的に処理するのが難しい」といった意見はありました。でも提出期限を延ばすことで課題の管理が容易になるのでしょうか。
単発の講演や課題ならそれで良いと思うのですが、毎週行われる授業でこれをやると講義の視聴や課題の実施を二回分以上ため込むことができてしまうのです。つまり管理の必要な課題の数が二倍、三倍に増えることになる。一度ペースを乱すと「多重債務」状態に落ち込んで、授業を受け続けることができずに単位を落としてしまう可能性もあります。そもそも対面で実施していた授業は決まった時間に一度だけ行われる一期一会のもので、それには一週間刻みでペースを作ってくれるメリットがあるのでは。
学生諸君に「〆切は短い方が良いですか、長い方が良いですか」と聞いたとすれば「長い方が良い」と答えるのは自然なことです。でも、〆切を待ってあげることが必ずしも学生のためになるとは限らないと思っています。と言うわけで「待つも親切、待たぬも親切」となるのですが、さて如何でしょう。
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