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テレビ番組への感想 NHK 「チコちゃんに叱られる」(片桐教授)

| 投稿者: tut_staff

 正月の夜に「ぼ〜っと」テレビを見ていたら、テレビから「ボ〜ッと生きてんじゃないよ」と叱られた。

 「チコちゃんに叱られる」という番組は、いろいろなうんちくを教えてくれる情報バラェティ番組です。つかれた時に「ぼ〜っ」と見るのに適しています。

 先日、その番組で面白いネタをやっていました。「シャボン玉を割らずに手でバウンドさせる」というものです。

 軍手をはめてシャボン玉を紙風船のようにポンポンと手で弾ませることができることを、私は知りませんでした。

 この回では東京理科大学の川村教授が専門家として、シャボン玉の割れる3つの理由、①ホコリやチリにあたる、②水分の蒸発、③重力により液が偏る、ことを解説し、それを防ぐシャボン玉液を使い軍手をはめた手の上で17回もバウンドさせていました。

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 川村先生のお弟子さんの高校の先生が挑戦者としてストローの工夫で対抗したけども、9回しかバウンドできませんでした。

 最後にプロのシャボン玉師?イベントでシャボン玉を作る方が、ヒアルロン酸の添加で作ったシャボン玉を13回バウンドさせていました。勝者になった川村先生の「ヒャッヒャ」という笑い声は少し「なんだかなあ」と思いましたが、化学の理解や興味はこのような形で示すことができる、と教えてくれるネタでした。ただし、翌週,新たなる挑戦者が出たそうですが、その回は見そびれました。

https://www.nhk.jp/p/chicochan/ts/R12Z9955V3/episode/te/W4YRPM3K28/

 さて、この「競技」はいろいろな要因をもっと改善できそうに思います。

 シャボン玉液の組成最適化の他に、シャボン玉のサイズ、軍手の素材(物性)、表面形状等々によりもっと多数回、バウンドできるかもしれません。特に手袋の改良は分子間力の弱いフッ素系繊維を起毛した素材にするとか、まだまだ工夫の余地がありそうです。

 この競技は化学系のロボコンのように発展できる余地がありそうだ、などと考えながら、テレビを「ぼ〜っ」と見ていました。

 シャボン玉は簡単にこわれます。シャボン玉は儚(はかな)いものです。儚いから美しいのかもしれません。割れにくいシャボン玉はなにか少し違うかなとも思います。

 童謡の「シャボン玉」は野口雨情の幼い我が子への鎮魂歌ではないかといわれています。幼くして亡くなった我が子をシャボン玉にたとえているという話です。私はまだ若かった頃にその話を芥川也寸志の司会していたNHKの番組「音楽の広場」で黒柳徹子へ話していたのを憶えています。

 その話を聞いてしまうと、この童謡の2番の歌詞はせつないですね。

シャボン玉消エタ

飛バズニ消エタ

生マレテスグニ

コハレテ消エタ

 

片桐 利真

 

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