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「自己責任」とは(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 大学の学部は4年制、大学院と一貫で3年半で終わる学生さんもいますが、基本的には4年間で卒業と決まっています。

 とはいえ、必ずしも全ての学生さんが予定通りに卒業できる訳ではありません。学業の途中で病気になる場合、経済的な問題で学業を続けられない場合もあるのです。そんな場合の一つの選択肢として休学という制度があります。一旦大学を休んで問題が解決するのを待って大学に戻ってくる。先日、そんな休学制度を利用している学生さん達が本学に復帰するためのガイダンスを行いました。休学する学生さんの人数はそれほど多くはないので、このガイダンスは応用化学科だけではなく工学部で共通、学年も全学年共通で実施しました。

 私は教務委員長なので授業に関連する説明をしました。教務関係で学生さんのアドバイスするのは三つの計画を立てること。どんな科目の単位をとって何年後に卒業するかを決める「履修計画」、今期学修する授業を具体的に決める「時間割」、最初の授業に出席するための第一週の「行動計画」。その話をした後でふっと口をついてでたのが表題の「自己責任」の話です。

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とくに若い人には「自己責任」を誤解している人がいるのではないでしょうか。

自分の仕事は自分で片付ける。何もかも自分で責任をもって解決する。それが自己責任。

でも世の中にはいろいろな仕事があります。最初から予測できない仕事だってある。予測よりずっと簡単なケースもあるでしょうが、思った以上に大変な場合もある。もし大変な仕事があって、自分の能力を超えていたらどうなるのでしょうか?頑張る。でもその頑張りで追いつかないほどの仕事だったら?もっと頑張る。それでも…、同じことの繰り返しですよね。

 実際に、ほとんどの人は自分では対応できない仕事の出くわすことがあるのです。その仕事が公的なものでもプライベートなものでも。いずれにしても自分で対応仕切れないときは他人の力を借りなくてはなりません。

 だれかに助けを求めないと完成しない仕事がある。だから責任をもって仕事を完成させるには「誰かに助けを求める」ことが必要な場合もあるのです。そんなの無責任?いえいえ、意地を張って仕事を完成させられないことのほうが問題です。そうであるならば、

自分の仕事が自分で片付けられないとき、自分で責任をもって誰かの助けを求める。それが自己責任。

ではないでしょうか。適切なタイミングで助けをもとめることこそが責任なのだと思います。

江頭 靖幸

 

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