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ITとペーパーレス化(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 新学期が始まって授業をしているなかでこんな話をしました。

僕が子供の頃にはスマホはおろか、パソコンだってなかったんだ。Windows95が発表されたのが1995年。その年がインターネット元年と言われたということは、それ以前にはインターネットは一般的ではなかった、ということだよね。

そうなんです。今の学生さん達にとっては当たり前のモノでも私達の世代にとっては目新しいモノだったんですよね。

 さて、パソコンが一般的になって私の身近に現れたのは1995年より結構前でした。当時はWindowsも発表されておらず、パソコンの用途はほとんどワープロに限定されていたと思います。要するに文書を清書して印刷する機械だったんですね。

 昔は手書きするか、あるいは和文タイプなど専門的な道具をつかうか、いっそ印刷工場に依頼するしかなかった印刷物が手軽に作れる様になったことで書類の数が激増。職場は紙で溢れることに。パソコンの導入イコールIT化、そしてペーパーレス化、という連想とは裏腹に紙の利用機会は増えた、という記憶があります。

 さて、実際のところはどうだったのでしょうか。日本製紙連合会という業界団体のWEBサイトには以下の様な統計資料が載っていました。

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日本製紙連合会WEBサイトより(https://www.jpa.gr.jp/states/paper/index.html

 まず、近年のデータを見るとこの10年ほどゆっくりと紙の消費が減る傾向にあることが見て取れます。2020年にはかなり大きな減少が見られますが、これはおそらくコロナ禍の影響でしょう。

 過去のデータは5年刻みで表示されていますが、2000年~2005年にピークがある様です。

 先に述べた「紙の書類が溢れる」状態がこの頃まで続いていた、ということでしょうか。その後は本格的なペーパーレス化の効果が出てきた。そして2020年のコロナ禍でさらにペーパーレス化が進んだ、と考えると納得できます。

 確かに最近あまり紙に印刷された書類をもらわないなあ、という実感とも一致します。

 あ、もう一つ実感することがありました。最近、ダンボール箱がたくさんくるのですが…。いえ、データをみるとダンボール用紙の需要は1990年からあまり変化していない様子。個人の感覚は必ずしも正しくないのですね。

江頭 靖幸

 

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