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本日(2022/05/04)も東京工科大学はお休み。ゴールデンウィークなので休みが続きます。今年はやけにくつろいだ休日だなあ。そう言えば去年はどうだったんだろう。ということで昨年を少し思い出してみました。
昨年のゴールデンウィークは忙しかった。理由は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言に対応して対面授業からオンライン授業への切り換えを行うため。突然の事態で臨時休講日をいれて早めにゴールデンウィークをスタートさせ、休み中に準備を済ませて、休み明けから授業体制を切り換える、という方針をとったのでした。
さて、今年は緊急事態宣言がでる様子はなさそう。それでこんなにくつろげるのか。では、昨年と今年、感染状況はどう違うのでしょうか。
以下、いくつかのグラフを表示しますが、これらは東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)」に基づいています。疑問を感じた人は元データを確認してください。
まず新規陽性者数のグラフ。上が昨年(2021年)、下が今年(2022年)の3月1日から4月30日の変化です。昨年は上昇傾向にあったのですが今年は減少傾向。右肩上がりと右肩下がりで明確な違いがありますから、今年は緊急事態宣言の心配がないのは納得ですね…って、ちょっと待ってください。上のグラフと下のグラフ、実は縦軸のスケールが全く違います。
昨年のグラフでは一番高いところでも一日1000人を少し超えた程度。でも今年のグラフは低くても一日3000人を切ることはなかったのです。思えば昨年の今頃、何かの会議で「明日は一日1000人を超えそうだ」というニュースを聞いて学長が頭を抱えていたのを思い出します。それが今年は一日1000人なら大喜びしそうな勢い。うーん。われわれがコロナに慣れてきたのでしょうか。
まあ、これも故無きことではありません。今度は昨年と今年の「死亡日別による死亡者数の推移」を見てみましょう。先ほどと同様、上が昨年(2021年)、下が今年(2022年)の3月1日から4月30日の変化です。なお、この項目には注として「現在判明している人数であり、後日修正される場合がある」との記述があります。特に今年のグラフの右端(2022年4月30日)に近いデータは過小評価されている可能性があります。
さて、今年度のグラフと昨年度のグラフ、やはり縦軸のスケールは違いますが、20人と30人で10倍までの違いではありません。3月はじめの一週間を除けば昨年と今年のグラフには大差がないように見えます。
もちろん、死亡者数だけで新型コロナウイルス感染症の被害を評価することはできませんが、このレベルを超えて増えそうなら緊急事態宣言などの対応がとられる一方で、減りそうなら対応しない。つまり、このデータを見る限りでは東京都レベルでこの程度の死者数は受け入れられている、ということなのでしょう。
江頭 靖幸