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LED照明と3.11(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 LEDといえば今は照明機器ということになるでしょうか。でも昔、発光ダイオードと呼ばれていたころは照明と言うより「電源ONになっていることを知らせる超小型のランプ」みたいなイメージでした。昔は青色の発光ダイオードがなかったので照明に必要な白色光が作れなかったし、それより何より明るさが全く不足していたのです。

 とはいえ、原理的には高い発光効率が望めることは分かっていましたから、いつかはLED照明が実用化されるだろう、という認識は一部の人たちに共有されていたと思います。私もそんな人間の一人として、世の中は遅々として進歩しないものだ、などと思っていたものです。それが一気に一般化して広く普及するようになった。その切っ掛けはやはり3.11、つまり2011年3月11日の東日本大震災とそれにつづく電力危機だったのではないでしょうか。

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 実際、3.11の後、電力危機が一段落したころにLED照明がコンビニに導入されたときのことをよく覚えています。当時のLED照明は面発光することを利用して部屋の内部だけに照明を限っていましたから、コンビニの外から見ると薄暗く見えたものです。中に入ってみると意外と明るく、少し驚きました。

 また、私自身がはじめて照明用のLEDを購入したのも3.11を経験した後のことです。気が付けば白熱電球と交換できるLEDの電球が発売されていました。少々高かったのですが、省エネのために、と思って購入したのでした。

 あれから10年以上の年月が経ちました。今では電球だけでなく蛍光灯もLED照明に普通に入れ換えることができる。というか、今や照明が蛍光灯なのかLEDなのか、よほど注意しないと区別ができないほどです。

 照明、という人間の生活のかなり基本に関わる技術がこんなに早く入れ替わってしまう、というは少し驚きです。技術の普及というのは切っ掛けがあれば意外と素早く進むものなのかも知れませんね。

江頭 靖幸

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