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ESG投資の行方(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 テレビ東京の「モーニングサテライト」略称「モーサテ」はビジネス情報中心のニュース番組。サラリーマン諸氏に人気の番組ですね。

 私自身は最近この番組を見ていなかったのですが、昨日(2022/05/18)の「モーサテ」では、特集(正確には「プロの眼」というコーナーです)の内容が「ESG投資の減速やむなし?」だというので久々にチャンネルを合わせてみました。(いや、録画したのでこの言い方は正確ではないか。)

 まずはESG投資とは何か。ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のこと。最期のガバナンスは corporate Governance、つまり企業統治のことですね。で、ESG投資はこの三つの領域に対して配慮した投資ということになります。投資するなら環境に配慮している企業、社会的課題に取り組む企業、企業統治に熱心な企業にしよう。なるほどこれは良さそう。ということでここ数年、ESG投資を謳ったファンドが急成長をしているそうです。

 さて、今回の「モーサテ」の特集はこのESG投資に陰りが見えるというお話し。具体的なデータとしてはESG関連のファンドの今年の発行額がどうやら昨年に届かないようだ。急成長にブレーキがかかっている、というのです。「『ESG投資、少し停滞かな』なんて笑顔で言ってたりする人もいる」という解説の人の具体的な体験談も織り交ぜながら話が進んでいきます。

 この原因と考えられているのは「ロシアのウクライナ侵攻の影響」です。ロシアからの原油や天然ガスの輸出が影響をうけることでエネルギー政策も変化するのでは、と考えられているのです。

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 EU、というかドイツの脱炭素計画の骨子は石炭石油を天然ガスに変える、というもので、その天然ガスはロシアから輸入する予定だった。だからロシアに対する経済制裁を実施すると脱炭素の計画は根底から見直しになる。石炭石油もまだまだ利用価値はありそうだ。おそらくこのような考えなのでしょう。

 まあ、生き馬の目を抜く金融の世界。日々の微妙なトレンドを追いかけるのは仕方ないことかと思います。でもサステイナブル社会を実現する大きな流れを考えればESGに注力するのは決して間違ったことではないでしょう。「モーサテ」でも言っていましたがESG投資はいずれ復調するだろう、それには私も同意見です。

 んっ?今回のお話し、ESGのEの話だけですよね?SとGは関係ないのでは…。こちらで頑張っていた人にとってはとんだバッチリですね。

 

江頭 靖幸

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