GPAは成績で決まるけどGPAは成績ではない、という話(江頭教授)
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例えば「学長賞」の決定について。学長賞は成績優秀な学生さんを表彰する制度なので、学生さんの成績を比較する必要があります。GPAの大小で受賞者を選定すれば良い、と思えますが実は意外な問題が…。もう数年前のことですがGPAが全く同じ学生さんがいて、学長賞を決めることができない、というケースがあったのです。
これは正に「想定外」の事態。でもよく考えてみるとGPAの計算が4~0というかなり少ない整数値の平均であることを考えるとあり得る話だということが分かります。
まず、受賞対象学生が二年生(つまり一年生の時の成績で判定される)の場合、単位数、というか授業数がそれほど多くありません。そのため同じ単位数の学生さんがそこそこの割合を占めているのです。ここでもし全ての授業でSをとる学生が複数名いたら確実に重複します。そうでなくてもS以外にAの数が1,2,3と考えてゆくと、このケースではGPAは連続的に変化するのではなく、いわば「量子化」されていることが分かります。GPAが4の場合はその「多重度」は1ですが、その下の「準位」ではかなりの「多重度」があることも分かります。成績優秀者の集団のなかでトップが同じGPAの「準位」に入って順位が決められない、ということはあり得る話なのですね。
おっと、順位が付けられなかった学長賞のケースがどうなったか、紹介しておきましょう。実はGPAの算出につかうSABCDXの前に、それぞれの成績には「素点」といって100点満点で付けられた成績があるのです。その際は、こちらを平均して比べて順位を決めました。GPAが4段階評価から算出されているのに対して素点は100段階。量子化されていてい準位があるのは同じですが、こちらはほぼ連続とみて良いですね。
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