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大学とSDGs(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 「大学」という組織の目標は大きく分けて二つ。教育と研究です。この観点から今回のタイトル「大学とSDGs」を考えると、大学がSDGsについて教育すること、そしてSDGsについて研究すること、がテーマになるでしょう。

 まずSDGsの教育について。私が担当する「サステイナブル工学基礎」という授業でもこのSDGsについて「サステイナブル デベロップメント」という概念の説明のなかで紹介していますが、少し触れる程度でそれほど深く解説している分けではありません。何しろ(毎回言いますが)本学のサステイナブル工学のカリキュラムはSDGsより前に作られていますから、我々が書いた「サステイナブル工学基礎」の教科書にもSDGsの章はないのです。

 では、SDGsについての研究についてはどうでしょうか?

 実は我々応用化学科では、いえ、われわれの属している本学工学部に視野を広げてもSDGsについての研究をしている人はいません。

 えっ、いまどきそんな状態なの?

いえいえ、ちゃんと読んでください。「SDGsについての研究」って書いてあるでしょう?これって「国連憲章とSDGsの整合性」とか「ブルントラント委員会の人脈がSDGs成立に与えた影響」とかそんな「研究」を意味しているはずですよね。

 我々が行っているのは「SDGsに沿った研究」とか「SDGs達成に資する研究」です。

Sdgs

 その様な研究をするためには、やはりSDGsについての教育は不可欠なのでは。それはその通りですが、同時に「研究」についてもある程度知ってもらわないと「SDGs達成に資する研究」のための教育は難しい。

 ということで、私が受け持っている修士の授業「サステイナブル工学概論」では修士の学生諸君が自分が今、正に進めている研究についてその成果がどのようにSDGsと関係するのか、そのことを考えてもらうワークを行っています。さすがに卒業研究を一度経験した修士の学生諸君なので上滑りでない議論ができています。

 逆に言うと「研究」といいう自分事がない状態ではSDGsの様な幅広い目標と自分との関係を具体的に考える事ができない、ということですね。

 

江頭 靖幸

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