オンライン授業のポイントは「板書」だと思う(江頭教授)
| 固定リンク 投稿者: tut_staff
コロナ禍の影響で遠隔授業が急激に一般化したことを受けて、世の中にはいろいろな遠隔授業支援システムが登場している様です。先日、その一つのカタログをみせてもらう機会があったのですが、その中で
教師の映像は高画質でなくても良い
というような書き方がされているのを見つけました。
うーん。ぶっちゃけると教師の映像は実は高画質でなくても良いどころか、そもそも無くても良いケースも多いのですよね。特に、口頭の学会発表に近いような授業では実はスライドショーの映像さえ見えていれば教師は声だけ良いのです。現にコロナ禍の最中には、我々応用化学科でもカメラ無しでそれなりのオンライン授業を実施することができていました。
そもそも「教師の映像」は何を伝えているのでしょうか。教師が話すときの身振り手振りでしょうか。ならスライドショーにポインターで代用可能です。教師の話すときの表情?いえ、教室の後ろの方ではそもそもそんな表情なんて見えないでしょう。
板書に際して教師は、話しながら書き、書きながら話します。場合によっては話しながら消すことも。音声と動作、そして板書した内容をリンクさせながら複数のメディアを通じて情報を伝えています。ある意味、教師が一人でできる一番高度な授業方法と言えるのではないでしょうか。
そう考えると、遠隔授業支援システムでも教師の「板書」を遠隔でも再現できるようにして欲しいところです。そのためには教師の(というよりも黒板の)高解像度の映像が必要では。あと、授業を受ける学生の側の受信システムも大画面テレビの大きな映像で黒板の映像を映し出して欲しいところです。
いや、各自それだけのシステムを準備するのは大変ですね。家の近い人で集まって受信システムを共有するというのはどうでしょうか。いっそ、映画館を借り切ってパブリックビューイングをすれば…、ってそこまでするなら大学に来ようよ。
うーん、今の一般的な学生さんの持っているPCや通信環境を考えると高解像映像を大画面で、というは非現実的なようです。では「板書」を遠隔でどのように再現するのか。このニーズにきちんと答えてくれる遠隔授業支援システムがいつか出てきてくれることを私は期待しています。
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