人はいつまで働かなくてはならないのか(江頭教授)
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私が小学生だったころの話。夏休みの宿題が終わらずに苦労しているとき、同じように苦労を分かち合ってくれた同志がサザエさんにでてくるカツオ君でした。それがいつの間にか私の年齢はカツオ君を追い越し、ふと気がつけば55歳。自分が波平さんより年上ということに気がついて愕然としたものです。(サザエさん連載当時の定年は55歳のはず。会社勤務の波平さんは55歳より若いはずです。)
なんて記事を書いたのがもう4年前なんですよね。今や私は59歳でもうすぐ60歳。昔なら定年、いやいや、今でも会社によっては60歳定年のところも多いはず。実際、私の同級生でもそろそろ定年、という話を聞きます。とはいえ東京工科大学の教員の定年は65歳なので、私自身はあと6年ほどこの大学で働くのでしょう。
さて、昔は55歳だった定年がいつしか60歳が当たり前に。そして65歳定年も珍しくない、ということは定年というものがどんどん先送りになっているのですね。
実は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」という法律によって定年に設定できる年齢は最低60歳と決められているそうです。さらに2025年には65歳定年となる最低年齢になる予定。ということで、今59歳の私達の年代は60歳で定年になるひとがいるほぼ最後の世代となりそうです。
では、なぜ定年の年齢が上がっていくのでしょうか。というか、なぜ人はより長く働き続けるようになっているのでしょうか。
まず前提として、それが可能だから。サザエさんが作られた頃と比較すれば平均寿命は優に10年は伸びているでしょうし、働くことができる健康寿命もそれに呼応して伸びていると考えられます。
また、仕事の質の変化もあるでしょう。肉体労働であれば機械化の恩恵は計り知れないものがありますし、オフィスワークにしても冷暖房が完備された今の仕事と昔の仕事では体にかかる負荷も違ってきます。
とは言え、人が長く働けるからといって、だから働く必要があるのか、というとこれはちょっと違う話では。自分がいつまで働くのか、各自が自分で判断して決められるようにするのが本当の自由で目指すべき社会の在り方…だとは思うのですが、さてリアルに自分がいつまで働けるかを考える様な年齢になると自分で判断するのは難しいのかな、やっぱり定年制度に良さがあるのかなあ、などと思ったりします。
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