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「あなたの研究はDGsの目標5に貢献しますか」(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 東京工科大学には大学院が併設されていて、我々応用化学科の学生が大学院に進学する際、普通は「サステイナブル工学専攻」に所属すること。私がその「サステイナブル工学専攻」で「サステイナブル工学概論」という授業を担当していることは前の記事でも紹介しました。さらに、この授業のなかで「SDGs」について触れ、「あなたの研究はどのSDGsの目標に貢献しますか」というレポートを書いもらったことも紹介した通りです。

 さて「あなたの研究はどのSDGsの目標に貢献しますか」にはいろいろな目標が選ばれたのですが中には誰にも選ばれなかった目標も。その一つが目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」でした。まあ分からなくもないですね。でもここは敢えて「あなたの研究はDGsの目標5に貢献しますか」というレポートを重ねて書いてもらいました。

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 さて、結果は以下のグラフのとおり。「貢献する」という答えはやや少なめ。「貢献しない」という回答の方が多いという結果になりました。

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 「貢献する」という答えの中で印象的だったのは「リハビリ用の装置を開発してる」という学生さんのレポート。今は看護者が体を支えないとできないリハビリを一人でできるようにするのだそうです。これが実現すれば男性の看護者に女性がリハビリを補助してもらうとき、抵抗感無く実施できる、というのです。なるほど、そいうい側面もあるのですね。

 一方で自分の研究とジェンダーには「関係がない」という人も多くいました。「関係がない」から貢献「しない」と答えた人も多かったのですが、中には「関係がない」から「貢献する」という答えの学生さんも。

 現状女性が不利な状況なのなら、自分が研究している「関係がない」ことが社会に加わることで平均値は平等に近づくはず。

 なるほど。そいうい考え方も有りか。

 このレポート課題にはもちろん、正解というものはありません。模範解答というものもないと思います。でも「SDGs」という多くの人が関心を持っている価値について自分の研究がどう関係しているのか、そんな事を時に考えて見ることも研究者としては重要な態度なのではないか。私はそう考えてこの課題を出したのでした。

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