やはり電力‥‥!! 電力は全てを解決する‥‥!!(江頭教授)
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いや、何の話かというと先日紹介した「サステイナブル工学プロジェクト演習」の中間発表会の感想です。
この発表会、内容はいろいろな工業製品について、そのライフサイクル全体での環境負荷をどのようにして小さくするか、その方法を提案する、というものです。発表は8会場にわかれて行われ、私は各会場をいろいろな発表を聞いて回りました。全体の発表数と比べるとごく一部の発表しか聞いていない計算なのですが、それでも各発表に共通する特徴があったと感じています。
今回の発表では環境負荷を「温室効果ガスの排出量」で評価しているのですが、この評価基準だと多くの発表で「電力」の問題に行き当たるのです。
いろいろな製品のLCAで電力が全く使われていないケースはほとんどないでしょう。ですから電力のCO2原単位(発電等でどのくらいCO2が発生するか)が下がれば全ての製品で温室効果ガスの発生量が削減される。そう、「電力は全てを解決する」のです。
これは今回の発表だけの話ではありません。世のなか全体の温室効果ガスの発生量の削減、つまり脱炭素社会の構築に際しても「電源の脱炭素化」には大きな役割が期待されています。
とはいえ一つの製品単位でのLCAで「社会の変革」まで手段に用いるのはさすがにNGです。今回の課題では電力のCO2原単位は一定、日本全国での平均値という条件でアイデアを練ってもらいましょう。
社会全体の脱炭素化のためにはインフラとしての電力供給網の革新が必要なのは事実。でも一人一人の個人の視点でも省エネに対する努力は必要です。そして一つ一つの製品を作る企業もより便利でより快適で、そしてより省資源で省エネな製品を開発するという努力が必要だ。社会の変革というものは私にはその様なものではないかと思えるのです。
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