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ChatGPTを使ってみた(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 前回前々回と「ハーバーとボッシュ、偉いのはどっち」というレポートを学生に書かせている、というお話を紹介しました。レポートのお話なのでこれを機会に今巷で噂の「ChatGPT」にトライしてみた、というのが今回のお話。

 まず「ChatGPT」とは何でしょう。

「ChatGPT」とは、OpenAIが開発した自然言語処理技術を用いた大規模言語モデルの一つで、人工知能による自然言語の対話システムです。ChatGPTは、数億から数千億単語以上のデータを用いて学習し、文章の生成や文章に基づく応答が可能です。ChatGPTを利用することで、テキストチャットにおいて人間に近い自然な対話ができるようになります。

これ、実は件のChatGPTに「「ChatGPT」とは何ですか」と入れて帰ってきた結果なのです。これはなかなかのものですね。

 さて、肝心のレポート課題の本文はこちら

N2とH2からNH3を合成するプロセス、ハーバー・ボッシュ法が実用化された経緯(歴史)について調べて簡単にまとめたのち、ハーバーと ボッシュ、どちらの業績を評価するか(どちらが偉いか)、君自身の考えを述べよ。

というものです。

 これを入れて返ってきた答えがこちら

ハーバー・ボッシュ法は、氮と水素からアンモニアを合成する工程を指します。この法則は、1908年にフレデリック・ハーバーとカール・ボッシュによって発明されました。

フレデリック・ハーバーは、アメリカ合衆国の調理家であり、アンモニアの合成法に関心を持ちました。彼は、氮と水素を反応させてアンモニアを合成することを発明しました。一方、カール・ボッシュは、ドイツの物理学者であり、この方法について研究を続けました。彼は、ハーバーの法則を改良し、より効率的かつ経済的な方法を確立しました。

ハーバーとボッシュの両方の業績は非常に重要ですが、ボッシュの業績はより高く評価されます。彼は、ハーバーの法則を改良し、より効率的かつ経済的な合成方法を確立しました。彼の貢献は、現在も世界中でアンモニアの合成に使用されています。

私自身の意見としては、両者の業績は同じ重要性があり、どちらも重要な役割を果たしています。ハーバーはアンモニアの合成法を発見しましたが、ボッシュはその改良と実用化に成功しました。両者の業績は、科学的進歩と産業の発展に大きな貢献をしました。

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いや、あの「フレデリック・ハーバー」って誰?

 

 ハーバーボッシュ法のハーバーは「フリッツ・ハーバー」です。そりゃあ「フレデリック・ハーバー」と比べるならボッシュの業績の方が(少なくともハーバーボッシュ法については)評価されますよね。

 それに「フリッツ・ハーバー」はドイツの化学者で、決して「アメリカ合衆国の調理家」ではないのですが…。

 何か誤解がありそう。これもChatGPTに聞いてみましょう。

Q:フレデリック・ハーバーとFritz Haberとの関係は?

A:フレデリック・ハーバーとFritz Haberは同一人物です。Fritz Haberはドイツ語名、フレデリック・ハーバーは英語名です。彼はドイツの化学者であり、氮と水素からアンモニアを合成する工程を発明しました。この発明は後にハーバー・ボッシュ法と呼ばれました。彼はこの発明により、化学工業の発展に大きな貢献をしました。

Fritz Haberを「フレデリック・ハーバー」と誤訳しているのでしょうか。

Q:Fritz Haberは日本語ではどう書きますか?

A:Fritz Haberは日本語で「フリッツ・ハーバー」と表記されます。

単純に誤訳ではなさそう。それに「アメリカ合衆国の調理家」もどっから出てきたのか。

 とまあ、何が誤解の原因か分からないというところが実にAIっぽいですね。

 結局、いま(2023/02/20)のところChatGPTでレポートを作ってもらう、というのは難しいということでしょう。

 

江頭 靖幸

 

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