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2023年3月

2023.03.31

メガネをなくした!(江頭教授)

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 私だってメガネをかけてオギャーと生まれてきたわけではないので裸眼だった時期もあります。でも、たしか小学校の高学年の時にはメガネをかけていたかと。そのときは近視用のメガネでしたが、年をとってくると手元の焦点が合いにくくなり状況は複雑に。

 何かの配線をいじっているときにたまたまメガネを外したら「はっきり見える!」ということに二重の衝撃を受けたことを覚えています。一つはよく見えるといううれしい驚き。そしてもう一つは「そんな年になったのだ」という悲しい驚きでしたね。

 さて、そんな驚きも今は昔。今では状況に完全に適応しています。最初は両焦点レンズのメガネを使っていたのですが、あるときから大学や自宅でPCを使って作業をする(つまり手元を見る)場合には専用のメガネを用意することにしました。慣れるとこれは仲々具合が宜しい。ということで満足していたのですが、若干の問題が。

 ちょっとした用事でPCから離れる時、なんとなくPC用のメガネをかけたままにしてしまう。それだけならまだしも、そのメガネを外してどこかに置きっぱなしにしてしまうのです。

 実は今、現在メガネをなくしていて、このブログはメガネなしで書いているのです。はて、時間通りにこの記事をアップロードできるのでしょうか。

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2023.03.30

在校生向けのガイダンスを実施しました(江頭教授)

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 今週は3月最後の1週間。本日3月30日はその木曜日ですから今月も、いえ今年度も後2日です。もうすぐ新年度が始まるわけですね。先日卒業式を行ったので本学はお休みの期間。そして新年度に入ると新入生を迎えるのですが、その前に一つやっておくべき事が。それが在校生に対するガイダンスです。

 ということで、我々工学部のガイダンスは本日30日に実施。1年生、というか新2年生、それに新3年生、4年生に向けたガイダンスのために教員はそれぞれに向けた準備を進めています。

 「入学時はともかく、大学でガイダンスなんか必要なの?」

 はい、必要です。新3年生なら本学に固有の「コーオプ教育」の情報が必要。新4年生には卒業研究や就職活動のサポートについて説明する必要も。そしてどの学年に対しても大学院進学のための情報など、在学生にも必要な情報を一気にまとめて伝達する、ガイダンスはそのための絶好の機会です。

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2023.03.29

「フレッシャーズゼミ」と「アドバイザー教員」のこと(江頭教授)

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 4月1日(実際は4月3日の月曜日)から新年度が始まります。本学の新入生たちはまだ正式には本学のメンバーとなってはいないのですが、それでもいろいろな準備が進んでいます。我々教員に新年度の「フレッシャーズゼミ」という授業のクラス分けのリストが送られてくることもその準備の一つです。もっともリストにはまだ名前はなし。学籍番号の表示だけです。(まだ本学に入学していないのでこれは当然ですね。)

 さて、この「フレッシャーズゼミ」は本学全体で行われている一年生向けの授業で、言うなればホームルームの様な授業です。

 大学に入ると「クラス」というものが無くなってしまい、学生諸君は時間ごとに授業の行われる教室を転々とすることになります。大学で自分の居場所ができるのは研究室に配属された後となります。これが通常の大学のスタイルなのですが、入学から数年の間、居場所の無い期間は大学生にとっていろいろな意味でリスクの多い期間でもあります。

 そこで準備されたのが「フレッシャーズゼミ」。研究室のゼミ程度の人数で擬似的な「クラス」をつくり、クラスルームとして決まった教室があるわけではありませんが、ホームルームのような授業を行う、というものです。研究室のゼミと同様に担当の教員も割り振られていて、「アドバイザー教員」と呼ばれています。

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2023.03.28

春を告げる八王子キャンパスの桜(江頭教授)

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 我々の応用化学科がある東京工科大学八王子キャンパスには大きめの池があります。(実は本学が持つ独自の下水処理システムの排水路でもあります。)この池の周りに植えてある桜、春になると見事な花を咲かせ、水面に映って実に美しい。で、今回はその桜が咲き始めている、というお話し。

 ここ数日、天気が悪くて少し肌寒い日が続いたのですが、それでも春はやってくるということでしょうか。いつの間にか桜の花がきれいに咲いていることに気が付きました。まずは本学正門入口の風景から。少し欠けていますが「東京工科大学」の看板も見えます。

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 入口に一番近い桜の木。見事に満開ですね。件の池はこの奥側にあります。

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そして池に映える桜の花…、といきたいところだったのですがこの日はあいにくの花曇りでした。

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2023.03.27

オープンキャンパスを実施しました。ヴァーチャルオープンキャンパスも実施中です。(江頭教授)

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 昨日、3月26日の日曜日、今年度最初の対面のオープンキャパスを実施しました。おっと、今年度最初は違いますね。まだぎりぎり3月なので、来年度最初の、となるのでしょうか。いずれにしても2024年入学の皆さんを対象としたオープンキャンパスです。

 昨年度から再開した対面でのオープンキャンパス、今回は2回目の対面での実施となりました。

 とはいえ、前回同様にいろいろな制限があります。まず最大の制限は完全予約制になったこと。密を避け、充分なソーシャルディスタンスを確保する、となると広い大学の教室でも限界があります。人数制限が必要で、訪問された方を断ることはできない、となれば必然的に定員を決めた上での予約制となるわけですね。

 また、以前は学生実験室に前研究室が展示を出すというかたちでしたが、今回も個別の研究室を見学していただくこととなりました。少人数のグループに分かれて各研究室を廻る、というスタイル。これも密を避けるためですね。

 このほかにも、全学部での共通の説明会などの大人数が集まる形式の催し物は中止になっています。今回は学部での説明が最初、その後学科に分かれる、という構成となっていてその分時間も短くなりました。

 実は今回のオープンキャンパスでは対面の他にオンラインのもの、いわゆるヴァーチャルオープンキャンパスも同時に開催、というか同時期に開催しています。こちらは一日早く3月25日から既にスタート、「大学・学部・入試結果説明(動画配信)」「360°画像によるキャンパス見学」「学部別コンテンツ配信(動画配信)」という内容で今月末の31日までの実施となっていますので、興味のある方は参加していただければと思います。(詳細はこちらから)

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2023.03.24

本学の「学生ポータル」がリニューアル(江頭教授)

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 本学のWEBサイトといえば検索で「東京工科大学」といれると出てくる東京工科大学の公式サイトということになります。でもその他にすでに入学した学生さん向けのサイトもあるのです。それが「学生ポータル」と「学内サイト」です。

 おっと待って、待って。何で二つ?

 いや、全くその通り。ということで今回この「学生ポータル」と「学内サイト」が統合されて新しい「学生ポータル」になりました。

 いままでの「学生ポータル」はその名の通り本学の学生向けのいろいろなWEBサイトへのリンクをまとめるという機能を持っていました。各授業の専用サイト(moodleなど)へのリンクは学生各自の時間割表にリンクをピン止めする機能も。授業への出欠をとる機能も統合されていましたし、シラバスや成績確認もここから。そしてこの「学生ポータル」から「学内サイト」へのリンクがあったのです。

 この「学内サイト」にアクセスしたとき、実は各学生の学部に対応したページに直接飛ばされます。つまり「学生ポータル」ですでにログイン処理が行われている訳ですね。で「学内サイト」には何があるかというと大学からのお知らせの掲示板、各学部が提供する資料、そして図書館などへのリンクって、あれ、これって学生ポータルと機能が被っているのでは。

 はい、これが今回統合された理由ですね。

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2023.03.23

大山学長最終講義(江頭教授)

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 我々東京工科大学のWEBサイトにも告知が出ていたのですが本学の大山恭弘学長がこの3月一杯で退任され、昨日は最終講義が開催されました。大山恭弘学長は工学部機械工学科の所属で前工学部長。工学部の設立当時からのメンバー、というか東京工科大学の工学部を企画されたメンバーのお一人で、我々応用化学科の教員がその呼びかけで集まったといった具合です。

 工学部の会議などで親しくお話を伺う機会も多かったのですが、応用化学科の教員という立場では学長の研究について具体的に伺う機会は実はほとんど無かったように思います。「制御に魅せられて」という題目からも分かる様に制御、それもロボットに代表される機械的な制御を中心に具体的な研究内容についてははじめて知ることも多いご講義でした。

 PC9801(!)を使ってモーターを制御し、複数のロボットアームをシンクロさせて動かす、といったデモンストレーションは工学的な意義と同時にどことなくユーモラスで私のような門外漢でも素直に「面白い!」と感じるものでした。また、教育用に「PC」「ハード」「ソフト」そして「教材」をセットで開発した、という具体例が繰り返し現れるのも大山先生の一貫したスタンスが見えて興味深いものでした。

 特に私が注目したのは「リモートラボ」というシステムでした。

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2023.03.22

私の土地、私の空気はどれだけあるのか?(江頭教授)

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 地球の周囲長は4万キロメートル、という話を以前のブログ記事に書きました。

 今回は、この数値と世界人口が約80億人、という数字から、地球人一人あたりに土地(というか、地球表面)面積を求めてみましょう。

 地球の周囲長から半径を計算すると6370km、球の表面積は4πr2ですから、地球の表面積は5.11×108km2です。この数字だけだと「大きいですな~」で終わり。全く実感が湧かないので地球の人口で割り算してみましょう。約80億人、つまり80×108人ですから一人あたり0.064km2、あるいは6万4千平方メートルとなります。やっぱり地球は大きい。これは250m×250mに一人ということです。こんなに人がまばらだと、ちょっと寂しくなってしまいそうです。

 もっとも、これは地球の全体の表面積ですから、海も含んでいます。陸地だけに限ると6万4千平方メートルの約3割になりますから1万9千平方メートル、約140m×140mに一人です。

 誰にも140m×140mの家に住む権利がある!というと雄大な気分になりますが、ちょっと待ってください。この140m×140mの土地は住むところだけに使えるわけではありません。食べ物も着るものもすべてこの面積でまかなう必要がある、そう考えると少々手狭にも思えてきます。

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2023.03.21

今日は休日(江頭教授)

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 この記事が公開される2023年3月21日は「春分の日」で国民の祝日、つまり休日です。今回は大学のスケジュールと国民の祝日についてまとめてみましょう。

 まず授業期間中の祝日について。今年度の、おっと来年度のカレンダーを確認すると授業期間中の祝日は前期なら4月29日の「昭和の日」、5月3日、4日、6日の「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」の三連休、7月18日の「海の日」の合計5日。そして後期は10月9日の「スポーツの日」、11月3日の「文化の日」11月23日の「勤労感謝の日」、明けて2024年1月1日が「正月」、1月8日が「成人の日」とこれも合計5日となります。

 以前にもこのブログで紹介した様に授業期間中の国民の祝日は「振替授業実施日」とか「祝日開講日」と称して休日にもかかわらず授業を実施することがあります。2023年度の授業のある国民の祝日は4月29日の「昭和の日」、7月18日の「海の日」、そして後期11月3日の「文化の日」です。実は年度を通して3日。この間に前期5日、後期5日で合計10日分の祝日があることを考えると「授業のある国民の祝日」というのは意外と少ないのですね。

 ちなみに前期の5月3日から5日までの三連休はそのままお休みになっています。ついでに4月29日の「昭和の日」は「振替授業実施日」で、これはおそらく1週間遅らせて5月6日と振り返られているのでしょう。5日の木曜日まで連休なのですからそこに続く金曜日を振り替えて休みにするというのは悪くない取引でしょう。また国民の祝日ではありませんが本学の創立記念日の5月1日も授業はお休み。今年はその5月1日が日曜日なので翌月曜日に振り替えて5月2日の月曜日がお休みに。これで5月第1週は全日お休みのゴールデンウィークとなるのです。

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2023.03.20

2022年度の卒業式(江頭教授)

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 先週の金曜日、3月18日に今年度(2022年度)の卒業式が開催されました。もちろん対面での実施。今年はコロナ対策も終了、としたいところですが感染症対策として密を避けるための工夫は行われています。昨年度と同様、卒業式は全体を二分割して実施されました。我々応用化学科が所属する工学部は今年は後半の部に。卒業式の日なのに朝はなんかノンビリできるなあ。これはこれでありか、などと。

 さて、今年の八王子キャンパス体育館の卒業式前の様子は以下の通り。昨年とは違って父兄の方々の臨席も有り、となりましたから客層(?)は少し変化して教員ではない年配の方もちらほら。でも学生と父兄の方々で混雑していたコロナ以前とくらべると人の数は少ないですね。まあ、それは「密を避けるための工夫」が功を奏しているということでしょう。

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2023.03.17

学会の行方(江頭教授)

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 これを読んでいるあなたがもし高校生なら「学会」というものに参加した人は少ないかもしれませんね。でも大学の教授となれば一つや二つ学会に入っているのが普通でしょう。で、学会には年に1回や2回の「年会」とか「講演会」といったイベントがあるものです。組織としての「学会」とは別にこれらのイベントも学会と呼ばれています。で、私が参加している化学工学会もいま学会、第88回の年会の真っ最中。そこで

今回の年会参加登録者は2日目の時点でコロナ前の登録者数とほぼ同じになった。全3日の開催日でコロナ前を越えるのは確実

という話しを聞きました。ついでに招待講演者で学会から招待されている人の数は2倍以上に増えているといいます。

 コロナ禍で多大な影響を受けた学会ですが、完全に回復したというニュースですから素直に喜びたいところ。ですが、少し気になる点もあります。

 今回の学会、じつはオンラインと対面とを並列させたハイブリッド式の開催なのです。

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2023.03.16

学校は勉強を教えるところなのですが(江頭教授)

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 今回は「学校は勉強を教えるところなのですが」、「学校で教えてもらうことだけで勉強ができる様になるわけではない」という話しをしたいと思います。いや、これは大学の応用化学科のブログですから「大学は学問を教えるところだが」と書くべきでしょうか。でも「学問ができる様になる」という表現は少し微妙。これは後で触れることにしましょう。

 さて「学校で教えてもらうことだけで勉強ができる様になるわけではない」というと、学校で教えてもらうことをきちんとこなしていれば勉強ができる様になるはず、と思う人が多いかとおもいます。でもこれ「きちんとこなす」というところがくせ者です。「きちんとこなす」ってどういうことなのでしょうか。学校の授業一コマについて○○分の予習と××分の復習をすること?いえ、時間をかけたからといって身についてるとは限らない。逆に授業だけで内容を理解できることもあるのでは。

 これは理解度チェックの問題を解いてみて、本当に自分が理解できているかを確認しなくては。理解できていれば良し、そうで無ければさらに勉強して…。とまあ、理屈はそうですが実際にこれを実行できる人は少ないのでは。いや、それ以前に全ての教科でこれを「きちんとこなす」として24時間で足りるのでしょうか。

 なら要領の良い勉強法を身につけて、勉強時間を確保できるように日程を巧く組みましょう。それに気力体力を充実させられるように食事や生活習慣にもを気を遣って…。うん、これって「学校で教えてくれないこと」ですよね。School_class_seifuku_20230316054601

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2023.03.15

「体力」とは(江頭教授)

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 前回の記事では「年をとればおまえも分かるよ」と言われて不服だったという話しをしましたが、そのなかでも特に気に入らなかったのが「成功するしないは結局は体力だよね」という言い方でした。

 そんなバカな。少なくとも科学の分野であれば優劣を決めるのは論理の正しさのはず、だったら正しい論理にたどり着ける知性が成功するしないを決めるはずだ。というのが当時の私の考え。正しいかどうかと体力には関係ないですよね。

 うーん、これは「思い起こせば恥ずかしきことの数々」というヤツでしょうか。この物言いの背後には「自分は体力に自信は無いが知性で人後にもとるものではない」という自信、というか驕り、というか高ぶりがあるわけですね。で、当然ながら「年をとればおまえも分かるよ」と言われる訳ですが還暦を迎えたいまなら本当に「分かり」ました。

 当時の私が「体力」と言われて思い描いたのは筋力や肺活量とか持久力などなど。それにおそらく運動神経もいれて考えていたのだと思います。つまり「育の能」です。対して「知性」は「勉強」と言い換えても良い。つまり「俺は体育は苦手だけど勉強はできるんだ。それで充分だろう。」という訳ですね。

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2023.03.14

自分が言われて嫌だったことを人に言わないようにしたいのですが…(江頭教授)

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「自分が言われて嫌だったことを人に言わないように」というのは至極真っ当な考えで何一つ文句の付け所は無いと思います。私自身もそうすべきだと分かっていますし、そうしたいと思っているのです。でもたった一つの問題はいつもこの教えを守ってゆける訳ではない、ということでしょう。

 私が学生だったころ(今から20年、じゃなかった40年ほど昔)に「言われて嫌だったこと」の一つ、それもかなり上位のものは

おまえだって年をとれば分かるよ

という言い方。「年をとれば分かるよ」の部分は「大人になれば分かるよ」とか「いずれ分かるよ」とかいろいろなバリエーションがありました。

 これは年長者の議論必勝法と言いますか、若者はこれを言われたらどんな反論も原理的に不可能になってしまいます。対等な議論に必要な情報がおまえには不足している。そして、その不足はどんなに努力しても(年をとるという以外の方法では)埋め合わせることができないのだ、という宣言なのですから、これは事実上の議論拒否の表明ではないですか。許せん!

 と、まあこのように憤る血気盛んな青年だった私なのですが、困ったことに実際に年をとってくると本当に「分か」ってしまうことが結構あるのです。

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2023.03.13

3月26日(日)に最初(?)のオープンキャンパスを実施します(江頭教授)

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 3月26日の日曜日、今年度最初の来場型のオープンキャンパスを実施します。おっと、今年度最初は違いますね。まだぎりぎり3月なので今年度最後のオープンキャンパスとなるのでしょうか。でも対象は2024年入学の皆さんなのでその方達に対してはやっぱり最初のオープンキャンパスとなります。

 今回のオープンキャンパスは事前申込制となっています。そして個別の研究室を見学していただく形式となりました。コロナ禍以前は学生実験室に各研究室が出店をだしてみんなでワイワイと賑やかにやっていたのですがさすがに密に過ぎる、ということで今少しの間は研究室見学ということに。とはいえ実際に研究を行っている場所を見ることができる、というのも貴重な機会です(それも複数の研究室を見比べることができる)のでご期待ください。

 おっと、話しが先走りましたね。全体の流れを説明すると学部での説明が最初、その後各学科に分かれる、という構成となっています。学部全体の説明では学部長から工学部の概要について。サステイナブル工学教育については私から。そしてコーオプ教育については実際にコーオプ実習で企業での就業体験を経験した学生さんが話しをしてくれます。

 学部の説明、学科の解説と研究室見学を合わせて2時間半のコース。午前と午後と、2回実施されますので皆さん是非参加をご検討ください。(申込はこちらから。)

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2023.03.10

休学者ガイダンスと「自己責任」のはなし(江頭教授)

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 大学の学部は4年制、大学院と一貫で3年半で終わる学生さんもいますが、基本的には4年間で卒業と決まっています。

 とはいえ、必ずしも全ての学生さんが予定通りに卒業できる訳ではありません。学業の途中で病気になる場合、経済的な問題で学業を続けられない場合もあるのです。そんな場合の一つの選択肢として休学という制度があります。一旦大学を休んで問題が解決するのを待って大学に戻ってくる。昨日、そんな休学制度を利用している学生さん達が本学に復帰するためのガイダンスを行いました。休学する学生さんの人数はそれほど多くはないので、このガイダンスは応用化学科だけではなく工学部で共通、学年も全学年共通で実施しました。

 私は教務委員長なので授業に関連する説明をしました。教務関係で学生さんのアドバイスするのは三つの計画を立てること。どんな科目の単位をとって何年後に卒業するかを決める「履修計画」、今期学修する授業を具体的に決める「時間割」、最初の授業に出席するための第一週の「行動計画」。その話をした後でふっと口をついてでたのが表題の「自己責任」の話です。

 

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2023.03.09

パネルディスカッション「理想的な工学教育の在り方を考える(第3回)」を開催しました(江頭教授)

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 我々応用化学科は工学部に属していますが、本学の工学部は機械工学、電気電子工学、そして応用化学の3学科体制となっています。授業も大部分は学科単位で行いますが、一部の授業は工学部共通で行われるなど一体で運用されている部分もあります。

 ということでFD活動(Faculty Development、教育方法についての能力向上を目指した活動)にも学部単位のものがあります。今回ご紹介する

東京工科大学工学部 パネルディスカッション「理想的な工学教育の在り方を考える ―効率的に知識を学び、体験から知恵を身につける―」

もその一つです。

 2019年末から話題になりはじめた新型コロナウイルスですが2020年度の当初にはキャンパス閉鎖という最悪の事態に。その後オンラインを中心とした新しい授業の在り方がスタートしたことをうけてはじめたこのパネルディスカッション「理想的な工学教育の在り方を考える」のシリーズですが、2022年度の今回は第3回目となりました。世の中はポストコロナ禍の時代に向かって着実に動いているのですが、それでも大学の教育はコロナ前に戻ることはないでしょう。何を残し、何を戻し、そして何を新しくするべきなのか、新しい教育メソッドの在り方はこの後も問われ続けることとなる。そんな思いから工学部教員全員参加のパネルディスカッションが企画されたのです。

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2023.03.08

「安全の反対は危険」ではない(江頭教授)

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 私が担当している「サステイナブル環境化学」という授業では(タイトルから予測される通り)化学物質による環境汚染の問題について触れます。公害問題、とくに水俣病の問題などは大きなトピックスなのですが、その問題を取り上げた後に「では、今の日本で同じような公害問題が起こる可能性はあるだろうか」と議論を広げます。

 そして水質汚濁防止法などの規制と基準値の話をするのですが、その際に一般に「基準値」に対して持たれているイメージが少し気になっています。私は

基準値というものは「この問題に対応しなくてはならない」というシグナルを発するためのトリガー

と強調するのですが、これは「基準値」を絶対に超えてはならない、ある種「致命的な」量、ととらえている風潮を意識してのことです。

 どうも「安全の反対は危険」「危険の反対は安全」と考えている人たちがいるような。

 たとえば海や川で何か危険な物質が検出されたとします。その濃度がどの程度の値であるかによって非常に高ければ危険、低ければ安全だとすると、両者の間の境目が基準値である、というイメージが持たれている様です(下図)。

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2023.03.07

ちょっと気になる「ちょっと」という言葉(江頭教授)

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「こないだの実験結果のまとめ、どうなった?」

「まだ、ちょっと未完成なのですが...」

「ちょっと未完成、ということはほとんど完成、ということだよね。それで良いから見せてよ。」

「...すいません。えーっと、ちょっとしか完成していません。」

いやいや、最初の「ちょっと」という言葉の使い方、特に意味はなくて雰囲気を和らげるためだ、ということは理解しています。それを言えば文末を「なのですが...」とするのも曖昧で、本来なら「まだ未完成です。」で良いはずですよね。

 さて、この話、どう転がしていきましょうか。「科学・工学の分野では余計な修飾を廃して正確な言葉遣いを」とかでしょうか。「仕事での連絡は簡潔で正確に」というとコーオプ教育の雰囲気になります。「コミニュケーションのスキルは大切で云々」といって肯定的に扱うの有りですね。

 では、おまえはどう考えるんだ、となりますが私の今の考えはこうです。

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2023.03.06

花粉の季節がやってきた(江頭教授)

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 先週の記事でも触れた「八王子近隣地域交流会」ですが、八王子の京王プラザホテルで開催されたイベントです。これに参加するために私は学外(というか屋外)に出たわけですがこれがいけなかったのでしょうか。家に帰るとくしゃみの連続、鼻が詰まって寝苦しい夜を迎えることに。

 風邪を引くほど寒かったのかって?いえいえ、その日は前日からとても暖かい日が続いていて私は「やっと寒い冬が終わった」とほっとしていたぐらいなのです。そういえば「八王子近隣地域交流会」で講演していた野島アナウンサー、いえ今は本学の野島卓教授が「花粉」について触れていたっけ。

 そう、暖かくなったのは良いのですがその影響で今度は花粉が飛んでいる様なのです。Pleats_mask_hida

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2023.03.03

「八王子近隣地域交流会」のこと(江頭教授)

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 「八王子近隣地域交流会」正確には「産官学連携による八王子近隣地域交流会」は我々の東京工科大学と、同じく学校法人片柳学園参加の「日本工学院八王子専門学校」とが開催する交流会です。コロナ禍の影響で昨年度、一昨年度は開催されず、やっと今年度、例年9月開催のイベントを3月に後ろ倒しにすることで三年半ぶりの開催に至ったのだそうです。

 内容はタイトル通りの交流会。本学と専門学校にゆかりのある八王子とその近隣地域の企業等の方々が参加され、我々教職員と、あるいは企業の方々同士で情報交換をするのがメイン。必然的にいわゆる懇親会(お酒あり)が本番となるわけです。今回初めて参加した私もいろいろな業種の方達と話しをする機会となりました。われわれ工学部ではコーオプ教育の関係で比較的企業の方々とお話する機会は多い方かと思いますが、もう少し広い範囲の企業の方々と話しができて少し視野が広がったように感じます。

 とまあ、交流会としてはこちらがメインなのですが、その前に行われた講演会についても少し。片柳学園の理事長、専門学校の副校長のお話と我々東京工科大学の学長による大学の概要説明など定番の部分もありましたが、それに続いて今回は野島卓教授の講演がありました。

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2023.03.02

コーヒーの香りと科学論文について (その2)(山下教授)

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(以下の記事は山下教授による2016年2月8日の記事の再録です。江頭)

 前稿でコーヒーの話をしたのには理由があります。

 最近見たテレビ番組で、「コーヒーが長寿命化に効果がある」という話題が取り上げられていました。実際に学術的な研究を行った結果、1日にコーヒーを飲む回数と脳梗塞の発症の割合には明確に相関があると紹介されました。そのとき、ゲストの一人から「このデータから、コーヒー自体が健康にいいといえるのか、健康で余裕がある人だからコーヒーを飲んでいられるのか、どうなのでしょうか?」というような趣旨の発言がありました。

 即ち、コーヒーの摂取量と健康に明らかな相関があるのは実験的な事実としても、単にそのデータだけからすぐにはコーヒーが健康によいと結論付けることはできないということです。他の様々なデータを総合するとコーヒーの効果が議論できるのですが、その詳細は専門の研究者にお任せするとして、本稿ではこのような実験事実から結論を導き出すことについて述べたいと思います。

 

 自然科学では、ある現象を発見したとき、そこから様々に条件を変えた結果を観察し、結果発現に至るメカニズムを見出そうとします。例えば、化学の分野ではベンゼン環に置換基がついたとき、その置換基がベンゼン環に対して電子を供与するか、電子を求引するかでベンゼン環の反応性を議論することがよくあります。

 もし、ある化合物のベンゼン環に電子求引性基をつけたところその化合物の反応性が非常に高くなったとしたら、「その化合物に対して電子密度を下げると反応性が向上する」と結論づけてよいのでしょうか?その化合物の反応性が高くなったのは実験的事実ですが、その原理は電子密度の変化かもしれませんし、あるいは置換基を導入したことによる溶解度の変化や置換基と反応試薬との相互作用に由来しているかもしれません。短絡的に結論を導いたために間違った結論となった例が化学の世界でも少なからずあります。

 このような観点から私は常々、学生が研究論文や学生実験のレポートを書く際に実験事実から「論理的に」結論を導き出す際に客観的かつ論理的に考察しなければならないことを説明してきました。

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2023.03.01

コーヒーの香りと科学論文について (その1)(山下教授)

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(以下の記事は山下教授による2016年2月1月の記事の再録です。江頭)

 忙しいことは大変よいことだ、と思うことにしています。

 忙しいということは、研究であればそれだけ世界から注目されているということであり、学務であればそれだけの責任を負っているということであり、いずれにしてもそのやりがいに自励的に活性化されると思います。

 以前、大学まで徒歩20分のところに住んでいました。毎日、早朝に自然の風景や季節の移ろいを楽しみながら大学まで通っていましたが、忙しくなるとその時間すら許容できず、車に乗って5分で大学に行き仕事を始めました。当時は1分でも時間が欲しいほどの忙しさでしたが、あるとき、本当に足りないのは時間的余裕ではなく精神的な余裕ではないか、ということに気づきました。それ以来、忙しい時はあえて時間をかけて心の余裕を保つようにしています。

 その一つがコーヒーです。

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