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学会の行方(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

 これを読んでいるあなたがもし高校生なら「学会」というものに参加した人は少ないかもしれませんね。でも大学の教授となれば一つや二つ学会に入っているのが普通でしょう。で、学会には年に1回や2回の「年会」とか「講演会」といったイベントがあるものです。組織としての「学会」とは別にこれらのイベントも学会と呼ばれています。で、私が参加している化学工学会もいま学会、第88回の年会の真っ最中。そこで

今回の年会参加登録者は2日目の時点でコロナ前の登録者数とほぼ同じになった。全3日の開催日でコロナ前を越えるのは確実

という話しを聞きました。ついでに招待講演者で学会から招待されている人の数は2倍以上に増えているといいます。

 コロナ禍で多大な影響を受けた学会ですが、完全に回復したというニュースですから素直に喜びたいところ。ですが、少し気になる点もあります。

 今回の学会、じつはオンラインと対面とを並列させたハイブリッド式の開催なのです。

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 学会参加者が増えている理由については追っていろいろな分析がおこなわれるでしょう。しかしその理由には、ハイブリッド式だと学会に参加しやすいことが大きな割合を占めているのではないか。これは私の感覚ですが、この点には多くの人が賛同してくれるのではないでしょうか。

 つまり私は、今回の学会が盛況である理由は「コロナ対策として」ハイブリッド式になっているからだ、と思うのです。

 もしそうなら「ポストコロナ」となった時に学会を対面形式限定に戻したとすると参加者が減ってしまう、ということになってしまうのではないか。

 次回の学会の運営員会はどんな判断をするのか、そして学会の参加者はそれにどう反応するのか、正確なところを予測するほどの知識は私にはありません。でも一つだけはっきり言えるのは、学会の在り方は昔どおりには戻らない、ということだ。そんなことを考えた今回の学会でした。(いや、まだ今日も学会は続いているんですけどね。)

江頭 靖幸

 

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