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自分が言われて嫌だったことを人に言わないようにしたいのですが…(江頭教授)

| 投稿者: tut_staff

「自分が言われて嫌だったことを人に言わないように」というのは至極真っ当な考えで何一つ文句の付け所は無いと思います。私自身もそうすべきだと分かっていますし、そうしたいと思っているのです。でもたった一つの問題はいつもこの教えを守ってゆける訳ではない、ということでしょう。

 私が学生だったころ(今から20年、じゃなかった40年ほど昔)に「言われて嫌だったこと」の一つ、それもかなり上位のものは

おまえだって年をとれば分かるよ

という言い方。「年をとれば分かるよ」の部分は「大人になれば分かるよ」とか「いずれ分かるよ」とかいろいろなバリエーションがありました。

 これは年長者の議論必勝法と言いますか、若者はこれを言われたらどんな反論も原理的に不可能になってしまいます。対等な議論に必要な情報がおまえには不足している。そして、その不足はどんなに努力しても(年をとるという以外の方法では)埋め合わせることができないのだ、という宣言なのですから、これは事実上の議論拒否の表明ではないですか。許せん!

 と、まあこのように憤る血気盛んな青年だった私なのですが、困ったことに実際に年をとってくると本当に「分か」ってしまうことが結構あるのです。

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 さて、どんなことが「分か」ってしまったかですが、考えてみると

人間は年をとると意欲・体力共に急速に衰えるものだ

ということがポイントだと思い至りました。

 要するに若いときは気力に満ち満ちて体力も溢れている訳ですが本人にはその意識がない。年をとっても同じだと考えると年長者がとても怠惰にみえるのです。そして世の中の平均より若い年代では世の中の平均が怠惰だという結論に。

 で、年をとって自分の意欲・体力が衰えてくると「そうか、あれは別に怠惰なわけでも悪意があった訳でもないのか」と分かってしまうのです。

 とまあ、ここまで分かったところでも今の若い人に「おまえだって年をとれば分かるよ」と言わずに済ませるのは、はて仲々の努力が必要なのです。

江頭 靖幸

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